「試練を迎えたアベノミクス」と題して、近着ニューズウイーク(NW)誌日本版で特集した。「大切なのは10年後ではなく来年。消費者は消費税率が上がる来年に増税に堪え得る所得を求めている。」と第一生命経済研究所の首席エコノミスト熊野英生は言う。野村総合研究所のチーフエコノミストのリチャード・クーも「そもそもの発想が平凡。全体を一気に変えていく大胆さが必要だ。」と手厳しい。市場や企業が何より「第3の矢に失望したのは法人税の減税がなかったからだ。熊野は言う。「減税への期待が高かった。」
「ところが財務相・副総理の麻生太郎は「今すぐ効果があると思えない。」と法人税減税を否定した。財務省の逆襲だ。甘利明経済再生担当相は「アベノミックス成長戦略にはしっかりとしたロードマップがあると云った。しかし、イスラエルの和平問題でも日本の米軍基地再編問題でもロードマップは示された。いずれも予定通り進んでいない。各省庁の要求をあれこれ飲み込んだ末、本来の元の筋書きとは似ても似つかぬ奇妙なスト―リ―が出来上る。」とNW誌最新号で前川裕舗記者は書いた。
「景気回復の実感はいつ?安倍マジックで賃金は増えるのか?」とNW誌別ページで「最後まで動かない企業。アベノミックスが達成する目標ははっきりしている。雇用の増加と賃金上昇だ。だが、そこに至るまでにはいくつものは―ドルがある。1つは、長年の間染みついた日本企業の負け犬根性だ。民間投資を引き出すはずの成長戦略では、解雇ルールの見直し、法人税減税、企業による農地取得の自由化、混合診療の解禁など期待の大きい項目が外された。金融政策だけでは経済成長はできない。長期金利上昇で住宅ローン金利は既に上がり始めた。円安による輸入価格高騰で、電気・ガス代から食料品まで値上げが広がっている。給料が変わらず値上げばかりが先行すれば、可処分所得は減ってしまう。成長がなければ税収がふえないから増税や社会保障費の削減を一層厳しくせざるを得ない。」と千葉香代子記者は書いた。株価は全てではない。しかし、期待感だけで上げていた日経ダウは、このところ乱高下、下値を模索する動きに大きく転換して来ている。
一方、11日のNY市場では、NYダウは前日比116ドル安、15,122ドルで取引を終了した。NY原油(WTI)はバレル95.78ドル、NY金はトロイオンス9.20ドル安、1,377ドル
と共に 冴えない。米10年物国債はやや買い戻され、2.198%へ利回りは低下した。ワ―ルドWaveMorning「経済情報」に出演したみずほコーポレート銀行、岩田浩二氏は「日本株大幅安、欧州株軟調の地合いを受け、米国株式も大きく売られた。株安を受けて円買い・ドル売りの流れとなり、1ドル=95.98円、1ユーロ=127.79円で円高が一気に進んだ。日銀政策決定会合では、長期金利上昇に新たな対策が出なかった。この先様子見ムードが強まるだろう。」と解説していた。
たかが株価されど株価。アベノミックスが幻となれば他人事でないことだけは確かだ。(了)
「ところが財務相・副総理の麻生太郎は「今すぐ効果があると思えない。」と法人税減税を否定した。財務省の逆襲だ。甘利明経済再生担当相は「アベノミックス成長戦略にはしっかりとしたロードマップがあると云った。しかし、イスラエルの和平問題でも日本の米軍基地再編問題でもロードマップは示された。いずれも予定通り進んでいない。各省庁の要求をあれこれ飲み込んだ末、本来の元の筋書きとは似ても似つかぬ奇妙なスト―リ―が出来上る。」とNW誌最新号で前川裕舗記者は書いた。
「景気回復の実感はいつ?安倍マジックで賃金は増えるのか?」とNW誌別ページで「最後まで動かない企業。アベノミックスが達成する目標ははっきりしている。雇用の増加と賃金上昇だ。だが、そこに至るまでにはいくつものは―ドルがある。1つは、長年の間染みついた日本企業の負け犬根性だ。民間投資を引き出すはずの成長戦略では、解雇ルールの見直し、法人税減税、企業による農地取得の自由化、混合診療の解禁など期待の大きい項目が外された。金融政策だけでは経済成長はできない。長期金利上昇で住宅ローン金利は既に上がり始めた。円安による輸入価格高騰で、電気・ガス代から食料品まで値上げが広がっている。給料が変わらず値上げばかりが先行すれば、可処分所得は減ってしまう。成長がなければ税収がふえないから増税や社会保障費の削減を一層厳しくせざるを得ない。」と千葉香代子記者は書いた。株価は全てではない。しかし、期待感だけで上げていた日経ダウは、このところ乱高下、下値を模索する動きに大きく転換して来ている。
一方、11日のNY市場では、NYダウは前日比116ドル安、15,122ドルで取引を終了した。NY原油(WTI)はバレル95.78ドル、NY金はトロイオンス9.20ドル安、1,377ドル
と共に 冴えない。米10年物国債はやや買い戻され、2.198%へ利回りは低下した。ワ―ルドWaveMorning「経済情報」に出演したみずほコーポレート銀行、岩田浩二氏は「日本株大幅安、欧州株軟調の地合いを受け、米国株式も大きく売られた。株安を受けて円買い・ドル売りの流れとなり、1ドル=95.98円、1ユーロ=127.79円で円高が一気に進んだ。日銀政策決定会合では、長期金利上昇に新たな対策が出なかった。この先様子見ムードが強まるだろう。」と解説していた。
たかが株価されど株価。アベノミックスが幻となれば他人事でないことだけは確かだ。(了)