羽田英彦展atギャラリー「菊」
江嵜企画代表・Ken
羽田英彦個展―位相喜寿を迎えてーが、ギャラリー「菊」(電話:06-6314-0907)
で、1月5~10日期間(12~8:30)(最終日は16時まで)開かれている。中学・高校同
窓の縁で案内をもらい楽しみにして出かけた。羽田画伯は、中学一年のときの美術の
先生、須田刻太画伯にしびれ、 長く教員生活を送りながら研さん、今や「赤」の画
家として知られ内外で活躍している。
思いがけずもこの日、午後5時から新春コンサートが用意されていた。ピアニス
ト山口博明、チェロ奏者山口真由美夫妻の演奏に、羽田画伯の「赤」が、あたかも演
奏会の舞台装置よろしく花を添えた。
オープニングパーティ前の待ち時間、訪問客と談笑する羽田画伯を入れて会場の様
子をスケッチしたあと、コンサート演奏の様子を描きこんだ。
画廊「菊」オーナー菊本さんが、「いい作品、いい人に恵まれとても幸せです」
とパーティ冒頭、挨拶した。羽田画伯は「昨年11月に喜寿を迎えました。ひとえに多
くの皆様のお陰です。また、このたびは、山口ご夫妻の素晴らしい音楽でお祝いいた
だくことになりました。誠に光栄です。命たまわれば、傘寿、卒寿と頑張りたい」と
応えた。
「損保ジャパン賞を昨年いただいた入賞作品は手元にない。「位相1608」は、それ
を模して描いた今年最初の作品です。」と150号の大作を指さしながら羽田画伯は言
葉を添えた。
チェロとピアノの演奏会は、日本のわらべ歌から始まった。R.シューマンの小品か
ら2曲、シューマン編曲のバッハのチェロ組曲、メンデルスゾーンの「歌の翼に」な
どと続き、アンコール曲、バッハ「G線上のアリア」で締めた。
演奏の合間あいまに、山口真由美さんは語りをいれた。「西洋の音楽は心地よい音
色を目指します。日本と西洋の音楽の違いがあるとすれば、日本人は、彼らには雑音
にしか聞こえない虫の声も風の音も音楽にとりこんでしまう、優れものの民族だと自
負しています。」と話した。強く印象に残った。
山口真由美さんは「音楽の世界はメロディーを借りて作品に色を付ける。色
を重ねていくうちに作品も高められていきます。絵も同じなのではないでしょう
か。」と羽田画伯に呼び掛けた。羽田画伯は、にこやかな笑みで返した。
オープニングパーティ会場では、羽田画伯の知人お二人のご婦人、演劇関係の方と
ギャラリーガイドブック、情報出版を仕事とされる方との対話の機会にも恵まれ幸い
だった。(了)