私(たち)は、今・現在を生きている。
行為、想像、思考、あらゆる営みは、いつもそのつど、現在において行われる。
未来を想い、過去を懐かしむのも、今・現在の生だ。
現在は、一刻一刻変わりながらも連続しているもの、今・現在を「よく」生きることは、永遠を生きることに通じる。
生とは、いつも現在であり、その一刻は永遠なのだ。
期待と希望の違いはここに明瞭となる。
期待は、他者をあてにし、そして未来をあてにする。
希望は、自分の心の中から沸き立ち・広がり、今・現在を意味あるもの、輝くものとする。
期待は、たえず「満たされる」ことを要求し、未来に既定性を与えることで未来を消去し、人を殺す。
希望は、状況・境遇によらず、いつも今を光で包むために、無垢な悦びで人を生かす。
今・現在を永遠にするもの、それが希望の本質である。
武田康弘