思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

35ミリフルサイズ一眼、ソニーα99の先進性とツァイスレンズの魅力

2012-12-04 | 趣味

4年前の『CAPA』(2009年1月号)は、フルサイズ一眼レフの比較特集でした。キャノンEOS5DマークⅡ、ニコンD700、ソニーα900の三機種です。実写の大きな写真が数枚づつ載っていますが、画質のよさ・美しさは、ツァイスレンズの力が大きいようでソニーが優れていました。

それを見て、その時、わたしはソニーα900を買おうと思い量販店に行きましたが、ツァイス標準ズームを付けたカメラのあまりの重さと大きさに買う気をなくしました。これでは普段使いにならず、飾りカメラになってしまいます。やはり愛用のAPSサイズに利点が多いことを確認したのでした。

あれから4年、今またこの三社のフルサイズカメラが出揃いましたので、わたしは、実物を試しにカメラ量販店に出向きました。

α99のデザインは、α55-α77と同じくペンタプリズムがない利点を生かし、しなやかで丸みのある線が美しく新鮮です。未来的とも言えますが、柔らかみがあり親しみやすいので、よい意味での庶民性もあります。これ見よがしの威張った感じがなく、自然な美しさで好印象。重さも軽量化され、APSサイズの一眼レフ・α700と変わりません。ただし、ツァイスの標準ズームは1キログラム近くもあり、これを付けると重過ぎます。

ニコンのD600は昔ながらの武骨なデザインですが、標準ズームを付けても軽くて小さく、とても持ちやすく、流石だなと思いました。キャノンは中途半端なデザインで、持った感じもいまひとつでした。

操作性ですが、ソニーだけが右手側ですべて行え、液晶モニターも可変式でどのような角度からも見られます。これは撮影の時にとても便利で、様々なアングルで撮ることが可能です(α350とα55を使って実感しています)。しかし、ニコンとキャノンは旧態の固定式でした。

ソニーのファインダーは光学式ではないので、光を見る快感がないとも言えますが、実際に写る画像(撮影素子で受け止める光のありよう)を見ることができるので、この方式(EVF)は理にかなっていると思いました。ホワイトバランスの調整機構を通して色をファインダー上で確認できますし(ファインダーを見ながら自由自在に操作できるのは面白く有用)、露出の明暗、逆光時の光のありようや絞りによるボケ具合も確かめられますので、狙い通りの写真を撮るにはペンタプリズムを使う光学式よりもEVFの方が優れているといえます。今後さらに自然な見えと動体追随性を高めてこの方式を極めるのがデジタルカメラとしての正解ではないでしょうか。

最後に一番肝心の写りのよさですが、2400万画素と画素数を欲張らずにダイナミックレンジを2倍以上(α900比)に広げた新型のα99は、ヨドバシカメラのホームページの写真を見ると階調の豊かさがあり、進歩が実感されます。別のテスターの写真を見てもゆとりのある美しさを感じますし、ソニーが不得手としていた高感度も6400までは綺麗ですので、充分でしょう。

というわけで、先月20日にα99を購入し、いろいろ試しています。
画像は美しく余裕感があります。レンズは、ツァイス24mmF2と、ソニー50mmF2.8マクロと、ツァイス135mmf1.8の三本です。やはり単焦点の切れ味と軽さ(135mm以外)は気持ちがよいです。ミノルタ時代から有名なソニーのマクロは295グラムと軽く、レンズが奥にあってフードの必要がないので軽快です。また、ツァイスの24mmの色乗りのよい上質な美しさには改めて感動しますし、135mmの品位の高さと恐ろしいほどの解像力には、これまた改めて驚かされます。

35ミリフルサイズの優れたカメラが出て、ようやくデジタル時代にふさわしい写真―カメラ環境が整いましたが、レンズは、やはり単焦点の優れたものがほしいと思います。α用のツァイスレンズはまだ3本のみです(来春に4本目でようやくプラナー50mmF1.4がでる)ので、これからソニーは責任を持って充実させてほしいと思います。ツァイスレンズの色乗りがよく品位の高い描写には抗しがたい魅力があります。やはり「写真はレンズで決まる!」です。

わたしは、フィルム時代の愛用品―コンタックス645+ツァイスレンズ7本・RTSⅠ~Ⅲ+ツァイスレンズ9本に変わるカメラ環境を望んでいますが、645のシステムは重過ぎて閉口でしたので、デジタルは35ミリ止まりにしようと思っています。

 (α99の写真は、α700+ツァイス135mmF1.8で撮影したものです。スタンドの明りと窓からの自然光)


武田康弘

 

 

コメント (1)
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