「神主」を崇め尊敬する人がいないのと同じで、
近代民主制社会では、「天皇」を崇め尊敬する人は、いないはずです。
明治政府が、江戸時代までの日本の伝統を覆して作った「国家神道=靖国思想」の下では、天皇は現人神とされましたが、社会契約論(人民主権)に則る現日本国憲法では、「天皇」とは、言うまでもなく、人々を超越する者でも、偉い人でもなく、儀礼を司る者につけられた「名称」です。
自由のない儀礼者としての役割を死ぬまで果たさなければならない明仁さんと伴侶の美智子さんは、人間としてほんとうに気の毒です。 「個人」としての人権を奪うことで成り立つ天皇制という時代錯誤のシステムは、そろそろ終わりにしないといけません。
山本議員が天皇へ手紙を書いて渡したことで「騒ぎ」になるのは、いかに「天皇」という制度が不条理なものかをよく表しています。制度を担う人間はいるが、それが一人の人間=個人ではないという奇妙な現実を浮彫にする「事件」でした。個人を消去する装置が、「天皇」という制度なのです。わが日本人はもう目を覚まさないと、いつまでも「人間を幸福にしないシステム」 内 「人間」に留まります。
わたしの『恋知ー私の生を輝かす営み』の第1章「天皇制って何だろう」 と、第2章「恋知とは何か」をぜひご覧ください。
武田康弘