思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

第39回キャンプ&ダイビングの写真完成! 式根島 プラス 10年前の本音の文章

2014-08-21 | 教育

いやいやタイへン。
昨日のおやすみを利用して、「第39回式根島キャンプ&ダイビング」の写真L版100枚のアルバム、完成!ーーわたしと染谷君と西山君の写真をプリントして編集しました。

日曜日に完成させたA4のコラボ写真集と一緒に写真をアップします。

日を置いて、一日中、900枚の写真と格闘、出来たものを見れば簡単に思えるでしょうが、
実は、膨大な時間と神経を注がないといけないのです。裏の努力努力、努力あるのみ。

神経と体力をとっても消耗させる(しかし、よろこびがある!)キャンプダイビングから帰り、その後の写真の整理と作成、タイヘンでもこれが終わらないとダメ。ふり返り見ないとね、です。   A4の拡大写真も20枚、A3は一枚。「白樺教育館」でミニ写真展を開催中!!

コラボ写真は、白樺教育館のホームページで見ることができます(クリック)

 

以下は、10年前、2004年に書いたものです。本音がそのまま出ています。
「キャンプ・ダイビングーほんものの教育」 武田康弘


教育今年も真夏の炎天下、式根島の大浦キャンプ場―斜面地の美しい自然の中のキャンプ地に行ってきました。(数年前地震で渡航禁止になった年を除き)28年間連続の海辺でのキャンプです。手付かずの自然―ほとんど誰も来ない美しい岩礁地帯でのシュノーケリングと磯遊びは、何よりも深く楽しい遊び=学びです。夜は、雲かと見まがう天の川、微光星で全天が埋め尽くされる太古の星空です。

わたしは、そうとは意識せずに、こどものダイビング指導のパイオニアの役目を果たしてきました。1977年からのシュノーケルダイビングの模様は、1980年から10年間に渡って月間「マリンダイビング」誌上で紹介され、それがもとで、各地のスイミングスクールでのダイビング指導が始まったのです。
初体験の子どもも、すぐにスイスイとシュノーケラーになってしまいますが、実はわたしはいつもほとんど「教えない」のです。黙ってやらせておいて勘所をひとこと言うだけです。「マニュアル」!?があると妄想するような人たちには理解しがたいことでしょう。肝要なのは、目の前のこどもたち一人一人を見ることですが、どうも独りよがりな「観念」や意味のない「常識」に縛られて目の前の現実が見えない人が多いようです。

ダイビングの楽しみと安全のために必要なのは、紋切り型で単細胞の体育会系の人間とは正反対の思想・態度をもつことです。子供の心身から硬さが消える環境をつくることができれば、生き物として自然な注意力が自ずと働き始めます。自由でしなやかな心が何よりも安全を生むのです。

わたしは今年で52歳です。24歳のときに始めた「子どもたちのキャンプ&ダイビング」は、初めの頃、「武田先生、こんなこといつまで続けるの?」と言われたものです。
今まで、先天性の心臓病の子も、ひどい喘息持ちの子も、学校で一番の問題児といわれた子も参加しました。しかし28年間一人として発病した子、大きな問題を起こした子は出ていません。ガラスのかけらを踏んで足をけがした子、転んで足をすりむいた子はいましたが、大事に至った子はひとりもいません。

でも確かに、このキャンプ中の100時間、とくに美しい岩礁の海で自由に泳がせている時間=何よりも素晴らしい体験を子どもたちがしている時間、私の全感覚神経は、人間に可能な最高レベルにあるようです。笑いながら、ふざけながら、でも心身は120パーセント燃焼し続けています。帰ってから数日は、意識は「真っ白」です。
断言します。子どもの教育―人間を育てることは、全身全霊でなければできません。どんな生き物もそうです。子育ては命がけなのです。そういう緊張感を失ったとき、人間は終わってしまいます。政治も、芸術も、学問も、実業も、子育てー人間の教育という営みに比べれば、はるかに下に位置するものです。魂を育てること。心身と頭脳の全体を、全身を使って育てること。それ以上に価値のあることはありません。これは私の「意見」ではなく、人間の生の原理です。ついでに言えば、これはソクラテスの哲学の原理でもあります。


タケセンのパワーはすごい!とか、いつまでも変わらないですね、とよく言われますが、実は、私は幼いころから内臓が弱く20歳まで闘病生活をしていました。幼稚園児の時には肝臓病で40日間寝たきりになり、小学生の5年生~6年生の時には胃潰瘍で2年間苦しみました。中学2年生から20歳までは十二指腸潰瘍を患いました。自律神経失調症で、勉強も20分間くらい集中したら休みを入れないとすぐ胃が悪くなってしまうのです。11歳の時から10年近く「虎ノ門病院」の専門医の世話になりましたが、結局、20歳の時、家の近くの「鴎外図書館」で見つけた「導引術」の本を読み、自分流に心身の改造を始めたことで、ようやく長い間の闘病生活から解放されました。小中学生の時は、とても50歳までは生きられないだろうと思っていましたが、ありがたいことに50歳を過ぎても元気です。
 生まれつき病気がちであったとしても、他人のつまらない価値観などに惑わされず、よい考え、優れた考えを自分の中に育てていけば、人生は充実し、豊かなエロースはやってくるものだと思います。

 権威ぶったり、財力で人の上に立とうとしたり、肩書きで威張ったり、人を見下したりするいかがわしく、下劣で、生きる価値のない人間はまだまだ多いですが、これからの子どもたちには、本物のよさをもった人間になってもらいたいと、私はいつも念じていす。
財力や権力や学歴や肩書きや・・には頭を下げることなく、自分の中の善美を育て、それに従うことのできる価値ある意義深い人生を生き抜く力を育てたいと思っています。自由でエロース溢れる人間。よく思索し付和雷同しない人間。優しくて芯の強い人間。美しく愛らしく真っ直ぐな人間。そんな素敵な人間を私は育てたいのです。

 自然にとけこむ100時間、島での自炊―キャンプと自然のままの美しい海でのダイビングと降るような星空の下での宇宙の実感。とってもハードで、自由で、楽しいー言葉にはできない体験。「システム・マニュアル・情報」という世界とは対極にある全細胞で生きる時間。みんなを変えてくれるこのすばらしい底知れない自然には、ほんとうに深く感謝です。

(2004年8月8日)

 

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