思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

武装勢力に拘束された高遠 菜穂子さんのメッセージ 政府自民党の「非現実」的政策の愚かしさ。

2015-01-31 | 社会批評

以下は、武装勢力に拘束された経験をもつ高遠 菜穂子さんのメッセージです。
このような体験談に基づく見解を無視する政府や自民党議員の言動は、非現実的な想念により、日本を悲劇に陥れる公共悪というほかありません。

 

高遠 菜穂子さんのメッセージ  

現代の戦争は「対テロ戦争」。もしそこに同盟国アメリカと行くなら、相手(敵)は正規軍ではなく「武装勢力」になりますよね。たとえば、イラク。(アメリカでは最近、イラクとシリアで勢力を拡大しているグループが第2の9.11をやるかもしれないという懸念の声もあるそうですし)

「武装勢力」と呼ばれる彼らのほとんどが肉親などを残虐に殺された遺族であり、武器を持つ動機は深い絶望の中で抱え続けた憎悪であることが大きいと言えます。正規軍のように「命令に従っただけです」とは言わないでしょう。残虐な行為に壊されたその心は想像を超える激しさがあります。戦闘でも米軍を追いつめるほどでした。

私はそんな「武装勢力」に拘束されました。彼らはまず私たちの国籍を確認しました。日本人であることを確認してから拉致したのです。「人道復興支援」として武装した自衛隊を送ったことに怒り狂っていたのです。

「なぜだ!? なぜ日本軍(アラビア語で自衛隊にあたる言葉がない)をイラクに送った?」「なぜアメリカの味方をする?!」

何度も怒号を浴びました。

「対テロ戦争」を続けた結果、アメリカはどうなったでしょう?

イラクはどうなったでしょう?

こんな「テロの世界」で集団的自衛権を行使する意味があるでしょうか?

若い命を失った分、世界は安全になったでしょうか?

「テロ」は減ったでしょうか?

「人道復興支援」で武装していっても標的になるのです。集団的自衛権を行使することになったら一体どんなことが起こりうるのでしょうか?

「平和の国ニッポン」というブランドイメージが私たちに安全をもたらしてくれていたのに、日本の「米国追随」のイメージは支援の現場でも深刻な問題をもたらしました。その後、何年もイラク支援のNGOは「日本からの支援」ということを表明できませんでした。表明すれば、現地スタッフが私たちの代わりに標的になってしまったからです。

あれから何年もかけて、必死に必死に働き、やっとやっとイラクの人々からの信頼を回復することができました。なのに、もう一度それを失うのでしょうか?


2014年6月30日  高遠 菜穂子
 (なお、太字、赤字は、武田による)


集団的自衛権については、泥 憲和さん(元自衛官)の名演説をぜひご覧ください。

http://blog.goo.ne.jp/shirakabatakesen/e/40768d2be233f251b6ff75903613f0db

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4 コメント

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日米安保 (津田泰孝)
2015-02-02 15:07:39
日本国憲法前文、9条のいわゆる平和主義について。


対訳 マッカーサー・ノート
http://www.chukai.ne.jp/~masago/macnote.html

より、当用憲法の平和主義に該当する箇所。

・・・・・・・

War as a sovereign right of the nation is abolished.
国家の主権としての戦争は廃止される。

Japan renounces it as an instrumentality for settling its disputes and even for preserving its own security.
日本は、紛争解決の手段としての戦争のみならず、自国の安全を維持する手段としての戦争も放棄する。

It relies upon the higher ideals which are now stirring the world for its defense and its protection.
日本は、その防衛と保護を、今や世界を動かしつつある崇高な理想に信頼する。

No Japanese army, navy, or air force will ever be authorized and no rights of belligerency will ever be conferred upon any Japanese force.
日本が陸海空軍を保有することは、将来ともに許可されることがなく、日本軍に交戦権が与えられることもない。

・・・・・・・
日本国憲法はこのマッカーサーノートを元にGHQが作り、
これを受け入れないと東京裁判で天皇陛下の処刑が決まる事になる、
と政府を恫喝しました。

そしてマッカーサー自身は、
日本国憲法前文や9条と同じ平和思想を持ち、実践していたのかと言えば全く逆で、

朝鮮戦争が起きると自衛隊の前身である警察予備隊を日本に作らせ、
朝鮮半島で中国軍が優勢になると、
北京への原爆投下を主張しました。

要するに日本国憲法に書かれている平和主義は、

日本が2度と米国に歯向かえないようにするためのものであり、
その証拠に、
マッカーサーノートでは日本は自衛戦争すら出来ず、

チベットやウイグルが中国にされたように、
侵略・虐殺・ 民族浄化をされても構わない、

というものです。

・・・・・・・
日本は敗戦により、武装解除させられたのみならず、
日米安保により、国防を米国に依存させられていますが、
日本国内に世界最強の米軍基地がこれだけ存在するという事は、
米国はその気になれば何時でも日本を滅ぼせる、という事であり、

残念ながら対米追随は自主防衛が実現するまで不可能だと思います。
返信する
テロについて (メルハバ、)
2015-02-03 09:25:32
戦争で武器を製造、売買して利益を得たい人が居る限りなくならないでしょう。奴らはメディアを通して、うまく人の考えを左右します。そして、戦争で被害に遭った、例えば、家族を目の前で殺されたり、レイプしたりと、誰でもそのような事を目の前でされれば憎悪に燃えます、その憎悪を利用し、敵をつくり、テロを起させ、そしてイスラムを利用しているのだと思います。少しでも、多くの人が気がついてくれればいいのですが。
テレビやメディアは真実を報道しないかも、しれません、早く気付いて下さい。
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Unknown (ユキ)
2015-02-04 07:34:09
ロンドンに住んでおります。
10年前位でしょうか、私が学生の頃バイトをしていた時に、まだ、10代後半のイラン生まれの青年が一緒に働いていました。初めて喋ったある日、彼に、ナショナリティーを聞かれ、日本人と答えました。そして、彼が私に不思議な話を語ってくれました。彼は日本とその文化が大好きで、なぜなら、彼がまだ、イランに住んでいた頃に(年代は確かではないです)、日本政府がイランの学校に無料でパソコンを寄付したと言ってました。その当時、パソコンはイランの国ではとても珍しく、それ以来、イランの若者は日本を好きになり、尊敬し始めたと言ってました。私は、その時日本人である事に誇りを感じたと同時に、なぜイランに?と思った記憶があります。この時の事を思い出すと、今の情勢はとても悲しい事と感じます。
返信する
Unknown (ユキ)
2015-02-04 07:40:30
すいません、先ほどコメントを投稿した者です、イラン人の話を書いてしまいました。すみません。的外れな事を書いてしまいました。

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