音楽の話題をもう一つ。
先週の水曜日に、清瀬春子さん(清瀬保二さんの長男夫人)からのご招待で、清瀬保二の作品を聴く機会があり、いたく感動しましたので、感想を少し。
7月9日、日本音楽集団の第212回定期公演は、創立50周年記念演奏会で、4人の作曲家の作品を取り上げましたが、このようにならべて4曲聴くと、清瀬保二の作品のけた違いの音楽力が浮きあがり、驚きました。
清瀬の豊かな和声(ハーモニー)の独自性は、しかし、優れた西洋音楽の作品と共通する深い悦びをもち、普遍に達した清瀬和声がつくる音世界に鳥肌が立ち、危うく落涙するところでした。「邦楽器のための組曲・四楽章」1964年作
独創にして普遍、ほんとうに優れた作品は、アカデミズムとは無縁の徹底した「個」(自分の心身のリズムと調和、内から湧き上がるメロディー)からしか生まれないことをあらためて強く実感した一夜でした。
開演5分前の会場
帰りに、清瀬保二さんの弟子で最期まで清瀬さんの面倒を見た作曲家の松橋桂子さん(「柳兼子伝」の著者)と、音楽評論家で種々の団体の責任者を務める佐藤克己さんと共に千駄ヶ谷の居酒屋で盛り上がった写真ー撮影は、武田百代。
清瀬作品に浄化されて、清瀬保二の音楽と人となりの話題、さらには、安倍内閣打倒!と話しながらの写真。
武田康弘