今年2月11に初来日したギリシャ哲学に基づく革命家集団=クルレンツィス指揮・ムジカ・エテルナ(シベリアのベルミが本拠地)と同志の天才ヴァイオリン奏者=コパチンスカヤ(彼女は何度か来日しています)によるチャイコフスキーヴァイオリン協奏曲は、
墨田トリフォニーホールのすべての聴衆の度肝を抜き、会場は息もできぬほどの緊張感と、終曲での爆発的な解放感は、かつて誰も味わったことのない超絶の演奏で、あまりの内容の豊かさと表現の幅の広さと恐ろしくなるほどの鮮鋭さに、批評する意味を失い狂喜するほかない体験でした。
今度は、10月1日に銀座王子ホールでのピアノ独奏。ポール・ルイスによるベートーヴェンのというよりピアノ曲の最高峰=ディアベッリの主題による変奏曲。これも、空前の名演奏で、50分が半分ほどの長さにしか感じられない変奏のコントラストの大きさと面白さで悦びでいっぱいになり、恐ろしいほど強靭で完璧なピアニズムに心身の内から熱が出て、言葉を失いました。
この曲はわたしの最も好きな曲で、各種LPやCDで何百回も聞いてきましたが、ルイス自身による最高の名演奏(10年前のCD)をもはるかに超えて、鳥肌立ちっぱなしで呆然。クラシック音楽の恐ろしいほどの深みと大きさと強靭さ。頭の芯まで震え、全身が痺れ、恍惚となる超絶な音と音楽を前にして、ああ、なんともありがたい。至上の幸福でした。かみさんは興奮で眠れず、わたしも睡眠剤を飲む羽はめに(笑)
両日とも白樺同人をお誘いして、ほんとうによかった~~~!!
2019.2.11 墨田トリフォニーホール。撮影・武田 2019.10.1 銀座王子ホール 撮影・武田
(☆こういう人と音楽を前にすると、改めて生まれによる差別の構造=天皇制の底知れぬ愚かさ、皇族という存在の茶番、即位の礼などの仰々しい儀式(内容なし)には心の底からぬんざりします。ああ、いつまでも愚か。超アナクロニズムを人のお金を使って(呆)。少し脱線、失礼・笑)
武田康弘