★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

御殿神社を訪ねる(香川の神社133)

2017-12-04 19:34:41 | 神社仏閣
香東川は川岸との区別がよくわからないほどで、川岸の道にガードレールなどがない場合も多い。だから、昔、香東川が氾濫した時の恐怖を想うことができる気がする。夜ここらを走ったことがあるが、結構怖かった。昔から、水に落ち込む夢を時々見るわたくしであるから余計である。



御殿貯水池の近くに行きました。





振り返ると、御殿神社が山の斜面に建っている。これは懐かしい風景である。



 
狛さん。(大正6年)



この裏に由緒書(昭和17年)があった。

 本御殿神社ハ弦打村郷社岩田神社境外末社ニシテ古クヨリ奥津彦神社ト稱セラル口碑によれば當社ノ東方山頂ニ根子塚ト稱スル古墳アリソノ古墳ヨリ得タル古鏡ヲ以テ御霊代トシ 天照大神 應神天応 天兒屋根命ノ三柱ノ神ヲ奉仕センモノニシテ奥津彦ト稱スルハ奥城ノ訛ナリト言ヘリ


『香川県神社誌』は、「根子塚」について「猫塚とも」と言っている。もし、これが本物の猫の墓に過ぎなかったら、こりゃ大変である。猫がアマテラス以下三柱に化けたのだ。まさに化け猫の本領発揮である。奥津彦は、奥津彦命、すなわち竈神ではないのかな――違うのか

明治五年、御殿神社ト改稱ス昭和九年本殿幣殿拝殿廊殿ヲ再建ス然ルニ高松市御殿貯水池ノ計画実施セラルルニ至リ昭和十七年一月現社地ニ奉遷ス


 
この中にあったわけですね……



確かに、「御殿」に昇ってゆくようですよ……。大正12年の注連石が屹立しておる(屹立って、論文でつかった人多かったな……ハズカシ

 

燈籠は、大正6年。



りっぱな拝殿。




本殿。



これほど竹林に囲まれている神社は初めてです。わたくしは芥川龍之介の晩年の無気味な小説を思い出しました。竹はなんだか怖いですよ……



どこの神様かわからんが境内社。



竹林の轟音(たぶん空耳)の中の地神さん。



「天照大神」、「少彦名命」、「大己貴命」、「春日大明神」、「八幡大菩薩」――あらら、混じったままだな、ここは……


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