38年前のこの時季
確か九月になった途端、空気が入れ替わってしまったようだった
涼風が心地よく心身に染みわたってきた
秋は毎年やってくる…しかし、この21年目の秋はそれまでのどの秋とも違っていた…
そうなのだ…これは僕のルネッサンスの秋の訪れなのだ!
ただ、外へ表へ広がっていく感じのものが、ある一点へと収束しつつあるようだった
それまで暑気と共に覆われていた、エーテルのような霧も急速に晴れて行くようだった
もう、何時までも夢想などしていられない
思いは果てしなく、有るのか無いのか分からない世界に馳せて行く
思いの中では神にもなれるし、聖人にもなれるし、天国の住人にもなれる
肉体も物質も超える事ばかり考えていた
一体全体、僕は大地に根付いているのだろうか
確かな手ごたえも、血肉に通うぬくもりもない
根なし草のように漂ってばかりなどしてられない
まるで何もかもが僕を現実に向けさせようとしているようだった
人は何故神を求めるのだろう
幸福?平和?真理?…
どんなに高遠なる、宇宙の主宰神のようなものを信じようと、
血肉に直接息づくものが無ければ一体何になるだろう
僕だけの神でもいい、生きたものに触れたい
サンダー・シングは実在の神へのやみがたき渇きを覚え、自死の覚悟をしたという…
神を求めることは、理由、意味を超えて惹きつけてやまないものなのだろうか?
神の実在…僕は一体実在しているのだろうか?
諸々の思いが去来し、あるいは淀み滞り…
どこにも”ガツン!”とした手ごたえなど感じられない
僕からは何一つ実在するものなど見つけられない
神の実在を求める…それは僕の実在を求めているということなのだろうか?
僕は段々抜き差しならない道に踏み入れようとしているようだった
理屈じゃない何か…味わってみなきゃ分からない味…
僕は何ものかに捉われてしまったのか…
秋の虫が恋をささやく夜…
確か九月になった途端、空気が入れ替わってしまったようだった
涼風が心地よく心身に染みわたってきた
秋は毎年やってくる…しかし、この21年目の秋はそれまでのどの秋とも違っていた…
そうなのだ…これは僕のルネッサンスの秋の訪れなのだ!
ただ、外へ表へ広がっていく感じのものが、ある一点へと収束しつつあるようだった
それまで暑気と共に覆われていた、エーテルのような霧も急速に晴れて行くようだった
もう、何時までも夢想などしていられない
思いは果てしなく、有るのか無いのか分からない世界に馳せて行く
思いの中では神にもなれるし、聖人にもなれるし、天国の住人にもなれる
肉体も物質も超える事ばかり考えていた
一体全体、僕は大地に根付いているのだろうか
確かな手ごたえも、血肉に通うぬくもりもない
根なし草のように漂ってばかりなどしてられない
まるで何もかもが僕を現実に向けさせようとしているようだった
人は何故神を求めるのだろう
幸福?平和?真理?…
どんなに高遠なる、宇宙の主宰神のようなものを信じようと、
血肉に直接息づくものが無ければ一体何になるだろう
僕だけの神でもいい、生きたものに触れたい
サンダー・シングは実在の神へのやみがたき渇きを覚え、自死の覚悟をしたという…
神を求めることは、理由、意味を超えて惹きつけてやまないものなのだろうか?
神の実在…僕は一体実在しているのだろうか?
諸々の思いが去来し、あるいは淀み滞り…
どこにも”ガツン!”とした手ごたえなど感じられない
僕からは何一つ実在するものなど見つけられない
神の実在を求める…それは僕の実在を求めているということなのだろうか?
僕は段々抜き差しならない道に踏み入れようとしているようだった
理屈じゃない何か…味わってみなきゃ分からない味…
僕は何ものかに捉われてしまったのか…
秋の虫が恋をささやく夜…