人生の裏側

人生は思われた通りでは無い。
人生の裏側の扉が開かれた時、貴方の知らない自分、世界が見えてくる・・・

光明思想と暗黒思想

2017-03-12 11:57:03 | スピリチュアル?
生長の家、白光会などの人間は本来神の子であり、元々悪も罪も不調和も無いという教えを光明思想と言ったりします。
その説かれ方は一様ではありませんが、こういった楽天的な教えは所謂チャネリングで語られるものを初め、スピ界では広く浸透していますね。
光明思想というものが有るんだったら、暗黒思想というものが有ってもいいだろう、と私が自分勝手に呼んできた教えというものが有ります。
誤解しないでもらいたいのですが、それは所謂暗黒勢力とか邪なる意図のもとに暗躍する動きに関するものではありません。
我々の本性についての捉え方に関するもので、神、真我など、こうあって欲しいものか、”ンなもの認めたくないわい”というものに導かれるかの違いです。
つまり昔の中国思想に見る性善説、性悪説の対比のようなものです。
(あくまで私が好き勝手に言っていることなので一般認知度はゼロです)
この思想の代表として私がすぐ思い浮かぶのが、ロシアの神秘思想家G.I.グルジェフです。彼によれば、人間には本来統一された主体、自由意志というものは無く、テンデバラバラな部品の寄せ集めのような機械だと言いました。
統合された意志を持たない人間は、条件反射のように外的な刺激に反応して、その時々の都合で思い、感情を表し、行動し続けているばかりなのだと言います。
又、前記の光明思想や神智学などで説かれるような所謂高次意識というものは元からあるのではなく、ワークと称される彼が編み出したメソッドなどの弛まぬ、並みならぬ努力(超努力!)によって初めて結晶化されるものだとされます。
何事でもそうなのですが、こういう事は自分自身を振り返って観察してみればいいのです。
すると…その通りじゃあないか!…これが現実なのか!…五井先生がいつも言っていたのは幻想なのか?
機械は与えられたものを知るのみだし、そもそも誰かが電源を入れてくれなければ動けない、本来無知無能なものです。
こういう心に光明どころか暗闇をもたらすような絶望的現実も受け入れざるを得ないでしょう。これから見たら光明思想など全くの夢想にしか感じられなくなってきそうです。
光明思想というものをただ無批判に無反省に信じ込むばかりであれば、それこそ主体性の無い機械じみた有り様に思えます。そして次から次に空想、夢想が付け足され、益々現実遊離の観念が増幅され、いよいよその機械性に気付くことが困難になっていきます。
自己の内面に横たわっている罪意識もその観念の下に隠されてしまい、これまた知らず知らずに増幅され、気付けなくなります。(五井先生の消えてゆく姿のお教えも観念に取り込まれたら、自分に都合よく歪められがちになります)
何よりも観念的信仰にずっと安住し、留まり続ける事で、宗教的回心、意識の目覚めという契機が生まれなくなります。
私はこの暗黒思想に一面の真理、意義というものは有ると思います。
この絶望感をもたげずに居れない教えは、このようにさらに絶望的な我々の機械的な無自覚状態からの目覚めを促す方便として…
自覚、気付くという…しかし人間が本当に機械のようであったら機械である、と気付くことが出来ません。実に気付けるというところから光明が差し込むと言えます。そして元から我々がその光明をもたらすものに根差していなければ、そもそも覚醒という契機は生まれようはずが無いでしょう。
機械にはそれを可動させるオペレーターが必要です。機械である自己には、何をどう意志し、どう動き、どう生きるという権限などありません。すべて操縦者に従うしかありません。
それが総統閣下だろうと20世紀最大の魔術師だろうと、そこにはすべてをコントロールする強い意志の存在が有るのです。
このように暗黒思想には、それが独り歩きした時、強い支配構造を持ったものとなる要素が内包しているものです。
光明なものにしろ暗黒なものにしろこの見たまま、思われたままのキカイには、真の主体者というものを想定しない訳にはいかないでしょう。
機械と操縦者…小我と真我?
何にせよそこには光明と暗黒が裏表になっているのです。

関西で知り合った知人のMさんは、五井先生とグルジェフに傾倒していて、同じように複数の教師に傾倒していた私でさえ”よくそれで消化不良を起こさないものだなあ”と思ったものです。どういう風に彼がそれらを受け入れていたのか聞く機会も無いまま、彼は二年前突然帰らぬ人となってしまいました。私が”グルジェフってーのは実は暗黒思想家なんだぜ…”と吹き込んだのは彼だけなのでした…。






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