からくり出張所

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運転室拝見(6)

2009年08月31日 21時42分33秒 | ライブスチーム

Western Maryland SHAYの製作で何となく中断していた運転室拝見をふとその気になって再開します。ほぼ二ヶ月のお休みで時の経つのは早いなぁーと思います。 手持ちの写真を眺めると何とBigboyなどの大型機のものがありません。いつでも見ることが出来ると思ってパスしていました。これから取材です。

さて今回は蒸気機関車の技術の頂点にある欧州の多気筒機関車の運転室です。スマートな車体に3気筒、4気筒エンジンを搭載し強力かつ高速での走行を実現しているのが実物です。 私の扱う45mmゲージにおいても実物と同じエンジン構造を実現しておりいつもパワフルな走行を見ることが出来ます。

最初の機関車はイギリスLMSのDuchessです。この車体はDuchess of Southerlandと云う名前です。四気筒エンジンを持ち英国で最大の2500HP以上の出力を誇っています。速度も日本の蒸気機関車では考えも及ばない180km/hちょっとを出した記録があります。恐るべき英国機関車です。模型でももちろん高性能な機関車です。

Dc112114 北裏鐡道で数両牽引しているシーンです。それでも安全弁が噴く余裕があります。燃やし過ぎと云われてしまいそうですが、安定した走りをします。

Duchess2_cab 運転室製作風景です。バーナーの炎が下部からバックボード側に湾曲し、煙管に入るC型ボイラーですが、二重構造の火室扉を持っており点火や燃焼状態の確認が容易です。ただバックボードが過熱気味でその熱気が左側の通風弁まで伝わり素手で扱い辛いのが難点です。中央が加減弁、その右が注水弁、水位計の下部に水の排出弁があります。

Duchess_cab

上のボイラーを主台枠に載せて完成した運転室です。 左の取っ手付きのネジが逆転機、水位計の前に潤滑油タンクがあります。この機関車は前方に潤滑油タンクを付ける余裕がないためにこの位置にあり、蒸気を僅かに注入しその圧力でエンジンにオイルを送り込む特殊な方法を採っています。この操作が運転上注意すべき点です。

この機関車のエンジンをついでに紹介します。

Dc060554 左右のエンジンと煙室の下に二基のエンジンがあります。過熱器からの配管がエンジンにつながり、排気は二つの排気ノズルを持つ集合排気管に持って行ってあります。このダブルノズルと煙突の効果で燃焼が大変スムーズです。

さてもう一つの四気筒機関車はフランス国鉄のU1です。ご覧のように優美な蒸気機関車ですが、内側のエンジンで使用し低圧となった蒸気を次には外側のエンジンに送り込む複式蒸気機関が特徴です。コンパウンドエンジンと云われているものでピストンの直径は同じエネルギーを取り出すために高圧側と低圧側で異なっています。もちろん低圧側が大きくなってます。

Dc071269 これはベテランで名人Wさんが持ち込まれたものです。ラジコン化されています。

Dc071258 ボイラーは本格的なロコ型ボイラーです。と云うことは石炭を焚こうと思えば焚けるという優れもので、アスターホビーの銘品です。下方に開く煙室扉も本格的です。ラジコン用サーボとリンクは加減弁用、逆転機用です。

U1_cab手動のままのU1です。古い機関車ですが、中古市場に出ることはまずないと思われます。

いいなぁー(笑)

先日のJAMで感じたこと。模型蒸気機関車が好きな人でもスイッチを入れると動き出すことに慣れているせいか内部構造に興味ない人が多いようでした。外側だけ精密な張り子の虎では蒸気機関車は動きません。まずは45mmゲージクラスで構造を知ればより楽しい趣味になると思います。運転・運用システムはNゲージで、蒸気機関車構造の理解は45mmで、と使い分けて楽しむ最近です。

うわべが格好良くても中身がなければ魅力を感じません。人も同じかなぁ-?(苦笑)

いずれの汽車ポッポもこのところ低調なので今日はこれを書いてバーチャルな運転を楽しみました。