立春と云うのに一段と冷え込んでいます。幸い風邪も引かずにゴソゴソと仕事をしていました。昨日、経理資料を整え終えたので一山越したのでは・・・・? ホッとして世間を見るといろいろ賑賑しいことばかりで気がめいります。 興味を一番覚えるのは、景気復活の引き金の一つであるトヨタの失速です。原因は新型プリウスの不具合とか、おそらく出荷全数に渡っている可能性がありそうですね。というのであれば自動車を制御するソフトウェアの問題と思われるので門外漢でありますが、ちと考えてみました。
今回の問題は、低速時にブレーキの利きが悪くなることがあるとのことですが、プリウスでは、回生ブレーキと物理的なブレーキを併用しているようなので走行速度と起動するブレーキ種別の切り替えタイミングに微妙にまずい点があったのでしょうか? 今朝の報道では最近出荷の車では対策済みとのことでしたので或いは単純な問題を見落としていたのかも知れません。あくまでも推測。
自動車や列車の主要制御にソフトウェアが入り込むことでソフトウェアの品質が大変気になります。とくにリアルタイムな現象を扱うプロセス制御といわれる分野のソフトウェアは一般的なソフトウェアより数段難しい領域です。作るテクニックは一般のソフトウェアと同じであるにもかかわらず設計と試験が極めて困難です。時間の流れの中で発生する様々な事象をソフトウェア機能として盛り込み、更にそれらを一つ一つ再現しながら試験をしておく必要があります。 プリウスに限らずコンピュータ制御車は、市場に出したことで細かい問題がいろいろ出てくるのでしょうね。 通信ソフトウェアも同じだよと講義しましたよね。(苦笑)
この課題をクリアして世の中に出たプリウスですが、機能をいろいろ盛り込むなかでタイミングバグの見落としがあったのではないでしょうか。 日本人の不得手といわれる「システム」、「ソフトウェア」に果敢に挑戦して世に送り出したプリウスです。この難関を乗り越えてもとの勢いを取り戻して欲しいものです。 この領域の問題は新幹線や航空機にもありうると思うと気になって眠れそうにありません。だから最近寝不足なのか?(苦笑)
今回のリコールがソフトウェア不具合に起因するとなるとパソコンやデジカメファームなどのデジタル機器で一般的になっているソフトウェアのアップデート機能を自動車用にカスタマイズして搭載する時代が一気に来そうな気がします。数百万台をソフトのアップデートのために販売店に持ち込むなんて気が遠くなります。モバイル通信システムにもインパクトを与えるかもしれません。
こんなことを考えると数百人の人命を扱うエアバス330の操縦系のコンピュータ化がいかに困難なチャレンジだったのか、今更ながら驚きます。 新幹線も頑張れ。と意味不明なことを云いたくなります。そういえば信号機のIP化ってどうなったのでしょうか?
(注) ものつくり敗戦「匠の呪縛」が日本を衰退させる 木村英紀著 には、「理論」「システム」「ソフトウェア」これが日本の技術の「三大苦手科目」であるとしてあります。
2月7日追記
トラブルの中味が説明されてきました。回生ブレーキから油圧ブレーキの切り替えタイミングでブレーキの踏み込みが浅いと切り替えが遅れるというようなことが報道されていました。個人によって踏み込む感覚が違うことと、そこにABSを働かせるかどうかの要素が入る際のロジックが完全でなかった? 多くのセンサからの情報をどのように扱うのかこれがノウハウだと思いますが、まさか米国でソフトを開示せよなんて云わないでしょうね。
これはバグなのか設計ミスなのか。ということで見ると後者。設計時にロジックの洗い出しが不十分だったのだと思います。通信ソフトで云えば処理マトリックスに穴があってロジックを作っていなかったか、その箇所の試験が不足していたのどちらかといえそうです。、
大したことのない設計ミスでも市場に出てしまうと大火傷になることはソフトウェア技術者であれば十二分に経験していることですが・・・・。 鉄は熱いうちに打て、バグは早い段階で潰せ。でしたよね。 トヨタの今までの判断は大したことのない問題と見ていたのでしょうか?(苦笑)
というのが感想です。