毎日余震が続き気になりますが、東北地域よりもましな東京です。
福島原発三号炉がまたしても冷却不良になりました。一号炉と同じプロセスであること気になります。同じことが起きるというのは設計上同じ問題を持っていると云うことでしょう。 煤煙のない環境の現代の生活を享受するのであれば原発は避けて通れないと思っています。原発は必要悪とは云いませんがあくまでも将来の理想的な発電システム(何だろう)への過程かなと考えています。 エネルギーを捨てて古き良き時代?に戻ろうとは思いませんし、既に戻れないのではと思っています。 CO2 25% 削減?何処へ行くのだろう。 原発可否について言及するつもりはありませんが、現状はそれありきでシステムの見直しをやって貰いたいものです。
マスコミ報道で知る範囲では、次のような推移でした。
・地震による停電のために一号炉の給水ポンプが停止し、冷却不良となったのでバックアップ発電機の起動を試みたもののディーゼルエンジンが動かなかった。
・電池に切り替えたがそのうち電池切れとなった。 外部電源車の到着を待ち冷却を始めたが発熱量が大きいせいか必要冷却水位を保てなくなり報道されている過程を辿った。
・最後の手段に海水を注入し原子炉全体を外部から冷ますことにした。もちろん廃炉でしょう。
こので腑に落ちないのことが幾つかあります。 「なぜエンジンを起動できなかったのか」、「外部電源車での冷却でなぜ冷却水位を保てなかったのか」、「最初からなぜ海水を入れなかったのか」などなど・・・・・ 地震そのもので原発自体は破壊されていないのに停電と云うことが廃炉へと暴走してしまっているように見えます。 風が吹けば桶屋が儲かるという流れでありますが、システムトラブルとは大抵こんなものかなと思わされました。技術屋の立場で考えると地震で原子炉停止システムが正常に働いたことは評価できます。新幹線の脱線等も起きなかったのもその一つです。
素直に考えると、
まだディーゼル発電機をバックアップシステムに使っていたのかという驚きです。起動するのに圧縮空気が必須で数回起動を失敗すると動かせないレシプロからメンテナンス性もいいガスタービン式に変わっているのが最近の動向と思います。原発自体が古かったのでバックアップも古いままだったのでしょうか? 空気切れで起動できなかった?? 電話局はだいぶ前かガスタービン化を図ってきたと思います。
冷却水位低下とともに圧力が上がりすぎてそれに打ち勝つ注水能力をポンプが持っていなかったのでは? 蒸気機関車でもたまに起きます。安全弁が噴くという高圧力時にボイラーに水が入らなくなることがありますが、たいてい逆止弁の詰まりやピストンリングの洩れなどポンプの整備不良です。取水口にゴミが詰まったという話もありますが、写真を見ると海からは隔離されいるようなのでなかったのではないでしょうか? 地震前後の写真で見ても取水口の詰まりはなさそうです。あ、この写真を見ると絶句してしまいます。
海水を入れることは最後の手段で、多分廃炉になるでしょう。一説にはそろそろ設計寿命の原子炉だったのでいずれ廃棄されることになったと思うのですが、そうであればある段階で海水注入を決断すべきではないでしょうか。三号炉でも同じプロセスを辿っていますが、上記の疑問は解けないままです。 海水注入用ポンプを別に調達するのは万全のセキュリティ管理が出来ていなかったと云えそうです。
東京電力さん、私の疑問を解いてください。(苦笑) システム作りでは主題は大事にされますが、運用メンテナンスは意外に軽く見られてしまうようです。これでは画竜点睛を欠いていることになるのですけど。
追記:20:00
三号炉も結局同じ状態になったようで大変気になります。細かな整備不良が引き起こした大トラブルのような気がしてなりません。トータルシステムとして見直す必要がありそうです。資金豊富な電力会社のノウハウに期待していましたが、ちと失望気味です。 でも、真相は如何に?(汗)