村上では、次の普通電車までの2時間半ほどを過ごす予定であった。
しかし朝が早いこともあり、何処へも入ることが出来ず、1時間半ほどで切り上げたので、
9時24分発の秋田行き特急、いなほ1号に間に合い、これに乗り込んだ。
特急であつみ温泉駅まで行けば、鼠ケ関駅始発の普通列車を、ここで捕まえる事が出来る。
これなら次の普通列車で行くより少し早く酒田駅に到着することが出来るからだ。
【写真:特急いなほ1号】
雪煙を上げながら、ホームに駆け込んできた特急は、定刻に到着した。
暖かい車内に乗客は疎らで、席はかなり空いていた。
ここからは、羽越本線の絶景が続く筈なので左側の海側の席が良い。
【写真:特急車内】
村上駅を出ると列車は、海に寄り添うように近づき、北上する。
冬の日本海が見えた。
空は、僅かに雲の切れ目はあるものの、相変わらずの鉛色に垂れ込め、沖合で海と交じり、
その境は定かには判別ができない。
このあたりの海は「笹川流れ」と言われ、国の名勝天然記念物に指定されている。
怒涛のように打ち寄せる波が、奇岩怪石に激しく打ち砕かれ、盛り上がり、そして乱れ、
白濁して渦となり、飛沫となって海は荒れ狂っていた。
【写真:車窓から冬の日本海】
車窓からは、笹川流れ観光の遊覧船の看板が目に付くが、残念ながら、この時期は休航
しているようだ。
その昔、義経主従がこの当たりを小船に乗って奥州に落延びたと言う伝説から、大岩には
それに因んだ名前が付けられているらしい。
天気が良く、海が凪いでいるのなら海上からの眺めを楽しむのも良いだろう。
そんな荒々しい光景が、トンネルの隙間から見え隠れする絶景ポイントを40分ほど走ると
列車はあつみ温泉駅に停車する。
ここで特急を降り、後続の鼠ケ関駅始発の普通列車を待つ。
【写真:あつみ温泉駅】
【写真:あつみ温泉駅前】
あつみ温泉駅でも雪のホームに降りる人は少なく、特急も直ぐにドアーを閉め発車した。
駅前に待機していた黄色いバスも、小さくクラクションを鳴らし、誰も乗せずに出て行った。
後に客待ちのタクシーだけが一台取り残されている。
【写真:到着する普通電車】
10分ほど待って乗り込んだ普通列車も空いていたのでやはり海側の席に着いた。
しかし、列車は暫く走ると海からは遠ざかり、ここからは、薄っすらと雪を敷き詰めた
広い穀倉地帯を直走る。
酒田までは、この庄内平野を見ながら、1時間余りの行程だ。(続)
【写真:雪の庄内平野】
しかし朝が早いこともあり、何処へも入ることが出来ず、1時間半ほどで切り上げたので、
9時24分発の秋田行き特急、いなほ1号に間に合い、これに乗り込んだ。
特急であつみ温泉駅まで行けば、鼠ケ関駅始発の普通列車を、ここで捕まえる事が出来る。
これなら次の普通列車で行くより少し早く酒田駅に到着することが出来るからだ。
【写真:特急いなほ1号】
雪煙を上げながら、ホームに駆け込んできた特急は、定刻に到着した。
暖かい車内に乗客は疎らで、席はかなり空いていた。
ここからは、羽越本線の絶景が続く筈なので左側の海側の席が良い。
【写真:特急車内】
村上駅を出ると列車は、海に寄り添うように近づき、北上する。
冬の日本海が見えた。
空は、僅かに雲の切れ目はあるものの、相変わらずの鉛色に垂れ込め、沖合で海と交じり、
その境は定かには判別ができない。
このあたりの海は「笹川流れ」と言われ、国の名勝天然記念物に指定されている。
怒涛のように打ち寄せる波が、奇岩怪石に激しく打ち砕かれ、盛り上がり、そして乱れ、
白濁して渦となり、飛沫となって海は荒れ狂っていた。
【写真:車窓から冬の日本海】
車窓からは、笹川流れ観光の遊覧船の看板が目に付くが、残念ながら、この時期は休航
しているようだ。
その昔、義経主従がこの当たりを小船に乗って奥州に落延びたと言う伝説から、大岩には
それに因んだ名前が付けられているらしい。
天気が良く、海が凪いでいるのなら海上からの眺めを楽しむのも良いだろう。
そんな荒々しい光景が、トンネルの隙間から見え隠れする絶景ポイントを40分ほど走ると
列車はあつみ温泉駅に停車する。
ここで特急を降り、後続の鼠ケ関駅始発の普通列車を待つ。
【写真:あつみ温泉駅】
【写真:あつみ温泉駅前】
あつみ温泉駅でも雪のホームに降りる人は少なく、特急も直ぐにドアーを閉め発車した。
駅前に待機していた黄色いバスも、小さくクラクションを鳴らし、誰も乗せずに出て行った。
後に客待ちのタクシーだけが一台取り残されている。
【写真:到着する普通電車】
10分ほど待って乗り込んだ普通列車も空いていたのでやはり海側の席に着いた。
しかし、列車は暫く走ると海からは遠ざかり、ここからは、薄っすらと雪を敷き詰めた
広い穀倉地帯を直走る。
酒田までは、この庄内平野を見ながら、1時間余りの行程だ。(続)
【写真:雪の庄内平野】