「みちのくの小京都」なんとも良い響きである。
白と黒を基調に、壁にピンクの桜の花びらをあしらった平屋の駅舎が如何にも角館らしい。

【写真:JR角館駅】
そんな駅を後に、駅前通りを15分ほど歩くと郵便局に突き当たり、ここを右に曲がる。
ここら辺りが商人町、今でも通りには色々な店が犇いている。

暫く歩くと役場の前で広い道が交差する。
「火除け」と言われる防火帯だ。
東の花場山、西の桧木内川に挟まれた、町で最も幅の狭い場所であり、ここを越えると
北側に武家屋敷の広がる武家町が有る。
昔は火事が出たときに、ここで防火線を張ったのであろうが、それは表向きで、どうやら
ここが武家と町人を区分する境界であったようだ。
小田野家、河原田家、岩橋家と続く東勝楽丁から、カギ形に道路を曲がると表町下丁。
この道の曲がり具合は、昔からのものらしい。
曲がった先に、角館を代表する青柳家や石黒家が居を構える。

道と言えばここ角館は今までに色々なところで見てきた武家屋敷通りとは少し様子が違う。
道幅が非常に広いのだ。
これも防火帯の意味を持っているのであろうか。
そんな広々とした通りを挟んだ両側には、黒っぽい重厚な塀を廻らした屋敷が建つ。
その上から負い被さるように深い木立が茂り、そこに新雪が積もり、まるで水墨画を見る
ように美しい。
朝が早いこともあり、観光客がぞろぞろと歩いていないのが尚良い。

道路で、雪かきをしていた男性と目が合った。
「雪かき、大変ですね」と話しかけると、「いつもの事だから、どうって事は無い」と
笑った。
「やっぱりシーズンは春ですか」と聞くと「春は人が多すぎる。秋も良いんだけど、意外
と知られていない」と雪かきの手を休めながら教えてくれた。
【写真:角館武家屋敷通り】
確かに観光ポスターで見る角館は、桜の風景ばかりだ。
樹齢200年を越える老樹など400本余りのしだれ桜などが、華麗に咲き誇る様は、なんとも
絢爛で感動すら覚えるほど圧倒的な美しさを誇っている。
こんな季節に、一度は来て見たいと思ってはいたが、更に秋の紅葉シーズンにも来ないと
いけないな・・・などと考えながら、「青柳家」の門を潜った。(続)
白と黒を基調に、壁にピンクの桜の花びらをあしらった平屋の駅舎が如何にも角館らしい。


そんな駅を後に、駅前通りを15分ほど歩くと郵便局に突き当たり、ここを右に曲がる。
ここら辺りが商人町、今でも通りには色々な店が犇いている。

暫く歩くと役場の前で広い道が交差する。
「火除け」と言われる防火帯だ。
東の花場山、西の桧木内川に挟まれた、町で最も幅の狭い場所であり、ここを越えると
北側に武家屋敷の広がる武家町が有る。
昔は火事が出たときに、ここで防火線を張ったのであろうが、それは表向きで、どうやら
ここが武家と町人を区分する境界であったようだ。
小田野家、河原田家、岩橋家と続く東勝楽丁から、カギ形に道路を曲がると表町下丁。
この道の曲がり具合は、昔からのものらしい。
曲がった先に、角館を代表する青柳家や石黒家が居を構える。

道と言えばここ角館は今までに色々なところで見てきた武家屋敷通りとは少し様子が違う。
道幅が非常に広いのだ。
これも防火帯の意味を持っているのであろうか。
そんな広々とした通りを挟んだ両側には、黒っぽい重厚な塀を廻らした屋敷が建つ。
その上から負い被さるように深い木立が茂り、そこに新雪が積もり、まるで水墨画を見る
ように美しい。
朝が早いこともあり、観光客がぞろぞろと歩いていないのが尚良い。

道路で、雪かきをしていた男性と目が合った。
「雪かき、大変ですね」と話しかけると、「いつもの事だから、どうって事は無い」と
笑った。
「やっぱりシーズンは春ですか」と聞くと「春は人が多すぎる。秋も良いんだけど、意外
と知られていない」と雪かきの手を休めながら教えてくれた。

確かに観光ポスターで見る角館は、桜の風景ばかりだ。
樹齢200年を越える老樹など400本余りのしだれ桜などが、華麗に咲き誇る様は、なんとも
絢爛で感動すら覚えるほど圧倒的な美しさを誇っている。
こんな季節に、一度は来て見たいと思ってはいたが、更に秋の紅葉シーズンにも来ないと
いけないな・・・などと考えながら、「青柳家」の門を潜った。(続)