簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

奥出雲おろちループ(JR全線乗り潰しの旅)

2010-12-27 | Weblog
列車がブレーキ音を軋ませて停車すると、運転士はまた移動する。
それに連れ、乗客もぞろぞろと移動すると、列車は左の昇り線に侵入、大きくカーブしながら喘ぎ、喘ぎ昇っていく。
駅の前を走る国道314号線が遠く小さくなっていく。
車輪を軋ませながらユックリ、ユックリと、停まりそうなスピードで昇っていく。
本当に停まるのではないかと思っていたら、急坂を登り切ったところで本当に停まってしまった。







ところが、停まった瞬間、突然右手の視界が開け、国道314号に架かる「奥出雲おろちループ」の赤い橋脚が、目に飛び込んできた。
何とこれは絶景ポイントをユックリ見ても貰おうと言うJRのサービスだ。

車内の乗客全員が一斉に右側の窓に寄りかかり、カメラを構えるものだから、車両が横倒しに成りはしないかと心配に成るほどだ。
紅葉の時期なら超一級の景観であろう。





暫く停車した後も、歩くようなスピードで、この絶景を堪能させてくれる。
再びエンジン音を高め、幾つものトンネルを昇りながら抜けると、標高726メートル、JR西日本では一番高所の駅、三井野原に到着する。
この三段式スイッチバックで160メートル余りを昇ってきたことになる。



駅を出て、島根県境を越えると、後は備後落合に向かって滑るように一気に下っていく。
備後落合では、10分ほどで芸備線の備中神代から新見に向かう列車に接続する。
これに乗り損ねると、次6時間後の20時過ぎまで列車は無い。
駅にも、その周りにも何もない山の中の寂しい駅で、とてもこんなに待つことは出来ない。(完)








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