簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

山と川・石見川本(JR全線乗り潰しの旅)

2010-12-10 | Weblog
字都井を出た辺りで、列車は東方向へ大きく進路を変える。
地図で見ると解るが、そのまま真っ直ぐ石見川越辺りに繋がれば良いものを、「つ」の字状に迂回して距離を稼いでいる。
これは、浜原のダム湖を避けるための措置らしいが、その事が結果的には都市間を結ぶ幹線としての機動性を損ね、ローカルな閑散路線に貶めている一因になっていると言われている。



三次を出て2時間余り、江の川の堤防に沿った石見川本に到着する。
列車はここが終点、江津行きの次の列車までは、1時間40分余りをここで待つことになる。



一緒にここまで乗ってきた青年が運転士と何か話しこんでいた。
「やっぱ、駄目だった」と言う言葉を小耳に挟んだものだから、「どうしたのか」と尋ねたら、「列車の中に荷物を置いておいても良いか」と尋ねたら、「駄目だ」と言われたらしい。

青年によると、江津にはこの列車がそのまま向かうはずだから、車内に荷物を置かせてくれるよう頼んだのだとか。
運行上は石見川本止まりと成るので、滞泊中の列車だから、荷物を置くことは出来ないと言う事らしい。
運転士はエンジンを切り車両に鍵をかけ駅務室に入って行った。
これから食事休憩に入るのであろう。

その青年は、ホームのベンチに荷物を置いて駅舎を出ていった。
それを見て、乗っていた何人かの乗客も一様にベンチに荷物を置いたまま出ていった。
随分迷ったが、身軽に越したことは無いのでそれに倣い、私も荷物を置いて駅舎を出た。



食事をするところを捜さなければ・・と思い、駅で見つけたパンフレットを手に町に出た。
車も人もほとんど通らない静かな、静かな町である。(続)



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