簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

筏流しの里(四国遍路)

2012-06-11 | Weblog
国道56号線を離れ、“道の駅・からり”の前から国道379号線に入る。



明治から大正、昭和の初めにかけこの地の奥山で伐採された良質な木材は、筏を組ん
でこの小田川を下り、肱川河口の長浜まで運ばれたという。
 川を下る勇壮な姿は、道路の整備やトラック輸送の発達により、昭和20年代を最後に、
姿を消してしまったらしい。



ここらあたりで14キロ余りを歩いて来た。
今晩の宿のある突合まではおよそ半分、まだ同じぐらい残っている。
 小田川沿いの道は、ほぼ平坦で歩きやすくはあるが、単調なアスファルト道の連続で、
変化に乏しく、些か疲れが出始めている。



 長岡山トンネルを抜けると道路わきにぽっんと一軒“お遍路無料宿”が建っている。
固く雨戸を閉ざしているところを見ると、誰も利用している様子は無い。
午後3時を過ぎたところだから、泊まるには早すぎるのか。



 短い和田トンネルを抜け、大瀬の集落を抜ける旧国道に入る。
沿道の大瀬小学校は、ノーベル賞作家・大江健三郎の通った母校、その近くには生家も
あるそうだ。その先に曽我五郎十郎首塚、千人塚大師堂、落水大師などがあるが、山の
日暮れは早いので、ゆっくりとしている暇もなく歩き続けているので次第に足も重くなる。



 午前11時少し前に着いた伊予大洲から歩き始めて早6時間、ここまで25キロ以上の
道のりを歩いて来た。
明日の久万高原に向かう峠越えの負担を少しでも減らそうとしたものだが、初日にして
は少し無理をしたようだ。しかし、ようやく今晩の宿が近づいてきた。(続)


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