上りがきつければ、下りもきついのは道理、厳しい勾配の赤土の道が続いている。
とは言っても所詮は下り、足への負担は大きいものの、息が上がることもなく楽である
ことには違いない。
1キロ半ほどの下り道を20分ほどで下り切ると、いきなり視界が開けた。
新緑の薄緑と古葉の深緑が混じり合う山々がかすみ、それに囲まれた町並みが、
まるで箱庭のようで、人家が犇めいて見える。
山道では、時折こんな風景に出会えるので、苦しくても救われる。
久万川に架かる橋を渡ると“大宝寺総門”と書かれた大きな門を潜る。
その先の両側はかつての門前町、遍路宿風な建物や、商家も目に付く。
直進する道は結構な上り坂で、そのまま表参道へと続いて行く。
仁王門を潜り、さらに坂道をのぼると石楠花が満開で咲き誇る石段があり、その上に
本堂が建っている。
明治のころの火災で焼失し、それ以後再建された建物ばかりらしいが、境内の周り
には杉や檜の古木老樹が生い茂り、幽寂な空気で満ちていて、中札所としての風格を
出している。
お寺を包み込むこの山は、大宝寺の山号にもなっていて、“菅生山”と言う。
ユキノシタ・シャガなどが群生し、セリ・ワラビ・アケブなどが自生する山地植物の宝庫
として県の名勝に指定されている。
打ち終えると、今度は岩屋寺への道が待っている。
長い峠越えで、少なからずダメージを受けている足には、この菅生山越えの道は厳し
すぎるので、ここは無理をせず今晩の宿、国民宿舎・古岩屋荘までの8キロは、県道
を行くことにする。(続)
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とは言っても所詮は下り、足への負担は大きいものの、息が上がることもなく楽である
ことには違いない。
1キロ半ほどの下り道を20分ほどで下り切ると、いきなり視界が開けた。
新緑の薄緑と古葉の深緑が混じり合う山々がかすみ、それに囲まれた町並みが、
まるで箱庭のようで、人家が犇めいて見える。
山道では、時折こんな風景に出会えるので、苦しくても救われる。
久万川に架かる橋を渡ると“大宝寺総門”と書かれた大きな門を潜る。
その先の両側はかつての門前町、遍路宿風な建物や、商家も目に付く。
直進する道は結構な上り坂で、そのまま表参道へと続いて行く。
仁王門を潜り、さらに坂道をのぼると石楠花が満開で咲き誇る石段があり、その上に
本堂が建っている。
明治のころの火災で焼失し、それ以後再建された建物ばかりらしいが、境内の周り
には杉や檜の古木老樹が生い茂り、幽寂な空気で満ちていて、中札所としての風格を
出している。
お寺を包み込むこの山は、大宝寺の山号にもなっていて、“菅生山”と言う。
ユキノシタ・シャガなどが群生し、セリ・ワラビ・アケブなどが自生する山地植物の宝庫
として県の名勝に指定されている。
打ち終えると、今度は岩屋寺への道が待っている。
長い峠越えで、少なからずダメージを受けている足には、この菅生山越えの道は厳し
すぎるので、ここは無理をせず今晩の宿、国民宿舎・古岩屋荘までの8キロは、県道
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