「関山 中尊寺」の月見坂を登っている。
中尊寺は標高130m程の関山と呼ばれる東西に長い丘陵地に位置しているため、
この坂が寺への表参道となっている。
結構な急坂でただひたすら前をむき、時折足元に目を落とし黙々とこの坂を上る。
道の両側には江戸時代伊達藩により植えられたという、樹齢300年を超える巨大杉
の並木が鬱蒼と続いている。
喧騒の国道を離れると、この杉並木により隔離され、静寂に包まれた参道では、
凛とした早朝の冷気が肌を差し、吐く息も白く、身がキリリと引き締まり、心を洗わ
れるひと時が静かに過ぎていく。静けさの中で、ここでは足音だけが付いてくる。
「月見坂」の途中には、源氏の氏神として広く信仰された八幡大菩薩を祀る「八幡
堂」が、冬枯れた木立の中に、静かに佇んでいる。
更に上ると、かつては仁王尊を安置していたという総門跡が有り、その先に入母
屋屋根・総ケヤキ造りの「弁慶堂」が建っている。
本尊の愛宕尊と共に、弁慶衣川立ち往生の等身生木像が祀られていることから、
こう呼ばれていて、当山の中では特に人気の高いお堂らしい。
その先で右手の木立が途絶え大きく視界が開けている。「東物見台」だ。
正面には束稲山、その足元を北上川が悠然と流れる南部平野が眺望でき、何とも
雄大で見事な眺めである。傍らに「西行の歌碑」も立っている。
『ききもせず 束稲やまの桜かな よし野のほかにかかるべし』
当時、束稲山は「桜山」とも呼ばれ、全山に桜樹が植えられていたという。
奈良吉野山と比べても遜色がない程美しい桜を見せていたのであろう。
さらに「地蔵堂」や「薬師堂」などの堂宇を過ぎると、その先は中尊寺の中心とな
る根本道場に至る。(続)
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中尊寺は標高130m程の関山と呼ばれる東西に長い丘陵地に位置しているため、
この坂が寺への表参道となっている。
結構な急坂でただひたすら前をむき、時折足元に目を落とし黙々とこの坂を上る。
道の両側には江戸時代伊達藩により植えられたという、樹齢300年を超える巨大杉
の並木が鬱蒼と続いている。
喧騒の国道を離れると、この杉並木により隔離され、静寂に包まれた参道では、
凛とした早朝の冷気が肌を差し、吐く息も白く、身がキリリと引き締まり、心を洗わ
れるひと時が静かに過ぎていく。静けさの中で、ここでは足音だけが付いてくる。
「月見坂」の途中には、源氏の氏神として広く信仰された八幡大菩薩を祀る「八幡
堂」が、冬枯れた木立の中に、静かに佇んでいる。
更に上ると、かつては仁王尊を安置していたという総門跡が有り、その先に入母
屋屋根・総ケヤキ造りの「弁慶堂」が建っている。
本尊の愛宕尊と共に、弁慶衣川立ち往生の等身生木像が祀られていることから、
こう呼ばれていて、当山の中では特に人気の高いお堂らしい。
その先で右手の木立が途絶え大きく視界が開けている。「東物見台」だ。
正面には束稲山、その足元を北上川が悠然と流れる南部平野が眺望でき、何とも
雄大で見事な眺めである。傍らに「西行の歌碑」も立っている。
『ききもせず 束稲やまの桜かな よし野のほかにかかるべし』
当時、束稲山は「桜山」とも呼ばれ、全山に桜樹が植えられていたという。
奈良吉野山と比べても遜色がない程美しい桜を見せていたのであろう。
さらに「地蔵堂」や「薬師堂」などの堂宇を過ぎると、その先は中尊寺の中心とな
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