簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

杉並木(東海道歩き旅・相模の国)

2018-06-27 | Weblog



 甘酒茶屋で英気を養った後、暫く県道を歩き、再び旧道に入り白水坂、天ノ石坂
などを上るが、既にピークを過ぎた上り坂は緩やかで、サミットの近さを実感させる。
やがて前方木立の隙間から芦ノ湖が見え隠れすると、ここからは一気に権現坂を下る。





 観光地らしく車の行き交う喧騒が聞こえ始める。歩道橋で国道を横切ると芦ノ湖
の湖岸がいよいよ近くなり、街道の前方には有名な箱根の杉並木が見えてくる。
途中にケンペル・バーニー碑が立っていた。箱根の自然をこよなく愛した英国の貿
易商らしいが、良く知らない。



 途中には江戸から数えて24番目の一里塚跡が有り、箱根の杉並木は、ここら辺り
に良く残されている。
江戸幕府の命により川越藩松平家の手によって植えられたもので、行きかう旅人に
木陰を与えようと道の両側に植えたものだ。似たようなところは日光街道にも有るが、
東海道では唯一のもので国指定の史跡として保護されている。



 当時は完全な並木道が続いていたであろう。
昼なお暗き杉の並木ながら、夏の暑さ凌ぎ、冬の風雪防ぎには格好のもので有った
ようだ。今でもここを歩くと、空気の匂いと温度の違いが感じられるほどで、杉落
ち葉で覆われた道は柔らかくて歩きやすい。
まるで峠歩きで疲れ果てた足腰を労わってくれているようだ。



 第二次大戦中の伐採の危機を乗り越えた木々は、度重なる道路の拡張危機をも凌ぎ、
樹齢360年余と言い、よくも生き続けたと感心する。
この付近の街道には、途切れ途切れながら今も400本以上が残されていて、樹高は30m
にもなるそうだ。(続)


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コメント
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