JR伯備線の線路は清音駅を出ると、上り線と下り線が分かれて倉敷に
向っている。
複線化の折高梁川沿いを行く路線に新線を沿わすことが出来ず、川岸まで
迫る軽部山(244m)に、古地トンネルを貫通させたことによるものだ。
清音駅を出た井原線は、そんな伯備線の上下二本の線路に挟まれながら、
自らは次第に高度をあげ前方にふさがる軽部山を避けるように大きく右に
カーブしながら高架でその上を越えると、その先で迎えてくれる岡山三大
河川の一つ高梁川に架かる橋に向かう。
長さ716mのトラスト橋と言われる高梁川橋梁で、列車はカーブしながらこ
の橋を渡るので、車窓から見ると橋が傾いて捻じれたように見えるのが面白い
が、勿論そんなことは無い。車窓から眺める橋は、規則正しく三角形を並べた
ような美しいフォルムがスマートで中々に魅力的な橋である。
かつて随筆家の内田百閒は「安房列車」で、山陽本線の吉井川橋梁(万富-
熊山間)を日本で唯一の曲がった橋梁と紹介しているが、技術革新の進んだ
今日ではこうして曲がった鉄橋は珍しい物でもなく他にもまだ有るらしい。
橋梁は一見すると濃茶色をしているので、古びて錆びているのかと思って
しまうが、実はそうではなく、ここには最新技術が仕込まれていると言う。
橋は「無塗装耐候性鋼材」と言われる部材を使って組み上げられている。
この鋼材は塗装をしなくても錆びが進行しないと言う。
従ってこの橋も塗装されていないので、これは鉄道会社にとってもメンテナ
ンス費用の削減では大きな効果が期待できるのだそうだ。(続)
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