簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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食べたまま、書いてます。

片上のひなめぐり(赤穂線・乗潰しの旅)

2020-07-03 | Weblog


 旧山陽道は今より北寄りのルートを取っていたが、南北朝時代に入っ
て南寄りのルートに変更されると、ここ片上は宿場としても栄えること
になる。
町は湊町としても賑わい、裕福な商人が登場し、宇喜多直家が岡山城下
の建設を始める頃には、この地から有力な商人の幾らかは岡山に移り住
んで行ったという。



 そんな歴史ある町も、片上鉄道の廃線、大型商業施設の撤退、人口
の減少等で衰退した。
好調な地場産業である耐火煉瓦が有るとは言え、これだけでは中々支
えられるものでも無く、地盤沈下は隠しようもない。
そんな町を元気付けようと20年ほど前から始まったのが、「片上ひな
めぐり」である。



 地元商店街や女性グループで作る実行委員会の主催で、毎年3月上旬
の四日間開かれる。
500m程続く旧山陽道の街道筋、片上商店街は歩行者天国となり、この
通りを中心に沢山のおひな様が飾られる。
その数凡そ4千体と言う。中には江戸時代から伝わる御殿飾りや、子供
達の手作り雛、備前焼のお雛様も混じって賑わいを演出する。



 豪華な御殿雛が飾られる「ふくわらふれあい広場」をメイン会場に、
「着物でひなめぐり」や「こども着付け体験」等の様々なイベントも
同時に開催される。
会場には地元で採れた野菜の市や、食べ物など多くの屋台も並び、毎
年多くの人が訪れている。



 中でも圧巻は、宇佐八幡宮で行われる「石段ひな飾り」だ。
神社正面にある急斜面の62段の石段をひな壇に見立て、赤い毛氈を敷き、
そこに約300体のおひな様が並べられる。
自宅で飾らなくなった人たちから寄せられたものだと言い、その朝晩の
展示・撤収作業は、地元の高校生がボランティアで活躍する。(続)






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