
草津宿橋を渡り、旧草津川の堤防上に設けられたアスファルト道を進
むと平地化した跡地公園で、更に進むと公園の有料駐車場に突当たる。
前方には駅前に屹立する、大きなビルが何本も臨まれる。
このまま公園内の遊歩道を進めば、草津の中心街、駅前に至るが、旧東
海道は左に取りこの堤防を下りる。

その左側の降り口に近い旧堤防上と思われるところに、「高野地蔵尊」
の地蔵堂がある。
傍らの石柱には「昭和10年」の日付が入れられているが、他に説明がない
のでどんな曰くでこの地に残されたお堂なのかは分からない。
何となく場所がそぐわない、唐突に置かれた祠のような感がする。

その近くの少し高くなったところに横町の道標、火袋付きの大きな常
夜灯が立っている。文化13(1816)年に建立されたものだ。
土台の石柱には、「右 金勝寺 志がらき道」「左 東海道 いせ道」と
掘られている。

草津川には大名の通行以外仮橋も架けられる事が無かったらしい。
常夜灯はそんな足元を照らし、地蔵尊も昔からこの地に有って、草津川
を徒渡りする旅人を優しく見守り続けて居たのであろう。
ここからは旧草津川に沿って、堤防下に細いやや下り気味の旧道が見
えていて、この辺りがどうやら江戸側の入口、東の見附跡らしく、東海
道は52番目の宿場・草津に入ってきた。

草津の中心市街地だけに、余広くはない道ながら交通量が意外に多い。
通りには最近建てられたモダンな住宅も多く、屋根越しには高層マンショ
ン等も望まれる。
それらに混じり、旧道ならではの景色も見ることが出来る。
昔ながらの格子をはめた軒の低い土壁の二階屋、旅籠風のガラス窓の家等
も幾らか残されているのが良い。(続)


