簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

土居宿(JR乗り潰し・姫新線)

2018-01-12 | Weblog


 姫新線は万ノ峠トンネルで国境を超え、旧美作の国に入ると、最初に停車
するのが美作土居駅である。
ここは山間の静かな里山に佇む一面一線の無人駅だ。
かつては行き違いのできる駅であったのであろう、その名残のホームが草深
く朽ちかけて反対側に残されている。
ホームにはポッンと、「杉坂史跡」「土居一里塚」と書かれた名所ガイドが
立っている。



 駅を出て南にまっすぐ100m程歩くと、東西に通じる道に行きあたる。
その角に、およそその場に似つかない、唐突な感じの門が聳え建っている。
案内板によると「西惣門(関門)」と書かれていて、旧出雲街道の土居宿の
西の出入り口に建てられていたものの復元だという。



 旧出雲街道の土居宿は、美作七宿の一つとして、本陣・脇本陣や人馬問屋
場などが立ち並ぶ戸数100戸余り(元禄年間)の宿場町である。
ここは播磨の国と国境を接する地で、その警備のために宿場の東西には惣門
が設けられた。このように宿場の両端に総門を構えるのは全国的に見ても珍
しいことらしく、それだけこの地が重要な場所であったと言うことであろう。



 旧街道沿いの建物は、かつてのものは殆ど残ってはいず、街道を歩いても
雰囲気を感じることはできないが、「西惣門」から100mほど街道を西に向か
うと、両側に見えてくる大木に往時の面影を偲ぶことが出来る。



 慶長年間に時の藩主・森忠政によって整備された旧街道の一里塚の跡で、
当時は北塚には黒松が、南塚には榎が植えられていたという。(続)



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