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西大寺鉄道の終点、観音駅(後の西大寺市駅)で「けいべん」を降り、
参詣通りを800m程歩くと、県下でも最大級と言われる仁王門が人々を
優しく迎え入れてくれる。
石橋の先に建つのは、和洋と禅宗様式を併用した三間一戸の堂々とした
楼門で、左右には金剛力士像も立っている。
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山門を潜ると境内で、左手には弘法大師を祀る高祖堂(御影堂)、右
手にはやや小ぶりの三重塔と六角経蔵が建っている。
何れも江戸時代に建てられたものだ。
その間に延びる石畳の参道の先に、巨大な屋根を被る正面五間の本堂
が構えている。
外陣部分は板敷の葺き放しで、一般的には大床と呼ばれ、その上部には
はだか祭りで重要な役割を果たす御福窓が設けられている。
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本堂の右手、吉井川の堤防下に建つ一際異彩を放つのが石門である。
一階部分は石造り、二階部分には白漆喰が塗られ、周りの欄干を朱塗り
としていて、その姿は物語の中の竜宮城を思わせる。
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その下正面には鳥居が建ち、一段下がった水垢離場となっている。
かつては吉井川と繋がり、大潮の時にはここに川水が流れ込んでいた。
はだか祭に参加する裸衆は、まずここで身を清めることになる。
その横には、はだか祭観覧用の有料スタンドも造られている。
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本堂左手には、今日唯一残る末寺の千手院や客殿が建っている。
その奥が、国の登録有形文化財の指定を受けている牛玉所殿である。
江戸時代後期には倉敷の由加山蓮台寺大権現、四国の金毘羅大権現と並
び三社参りで隆盛を見たところである。
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近頃では「はだか祭」のみならず、「和合の楠」を初め、「合格祈願
の白玉文殊」「水掛誓願不動」「身代わり水掛観音」「土地家屋安穏北
向き地蔵」など、祈願スポットやパワースポットが殊の外人気だそうだ。(続)
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