簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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食べたまま、書いてます。

四国遍路 高徳線 板東駅

2009-03-10 | Weblog
春は気温も暑からず、寒からず。日も段々と長くなってくる。
路傍には草花が咲きはじめ、木々は若芽を膨らます。
長閑な春は遍路には最敵期とされ、行き交う人が一番多いと言う。
そんな昨年の春、五月某日、巡礼に旅立った。

JR高徳線板東駅には、赤い鳥居と“四国一番 霊山寺” の標柱がホームに立つ。
さぞかし巡礼が多いのだろうと思って降り立った駅には、土地の人らしき老人と、数名のグループ連れ、それに我々。
合わせて10名余りで些か肩透かし。

何はともあれ、まずは鳥居の前で記念写真を撮り、少し遅れて駅舎を出れば、駅前広場には既に人影は無く閑散としている。
この街道も昔は多くの歩き遍路が行き交ったのかと思いながら人通りも無い道を歩く。
廃館となった映画館であろうか、板戸の締められた建物を見遣りながら一番札所を目指す。
やがて四国第一番と書かれた石柱に導かれ角を曲がると正面彼方に堂々とした山門が眼に飛び込んでくる。

始めて見る山門ではない。
以前、何度もドライブで訪れている霊山寺の山門である。
しかし今日は今までの霊山寺とは違う。歩いて訪れたのだ。
山門を見据え、一歩一歩、歩を進めると、歩みの数だけ山門が段々に大きく迫ってくる。
「いよいよ始まるのだ。」と思うと何か胸の高鳴りを覚える不思議な感覚が湧き上がってくる。
殊勝な信仰心など無かった筈なのに。これが”お四国”の力、信仰の力であろうか。

【写真:JR高徳線板東駅】

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