簾 満月「バスの助手席」

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瀬戸大橋と言う橋は無い(JR乗り潰し・本四備讃線)

2022-05-02 | Weblog


 本四備讃線は児島を出るとやがて右から瀬戸中央自動車道が寄り添い、
その先で上下に重なるようにしてそのまま鷲羽山トンネルに突入する。
このトンネルは、上段が高速道路用、下段が鉄道用でそれぞれが上り下
り2本有るので、口を正面から見ると、丁度メガネを上下に並べたよう
に四つ目状に見える珍しい形をしている。



 トンネル内の轟音が途切れ車窓に陽光が戻ればそこはもう瀬戸大橋だ。
と言ってもここに瀬戸大橋と言う名の橋は無い。
瀬戸内海に浮かぶ、大小5つの島を総延長9.4Kmの6つの橋で結んでいて、
その総称を瀬戸大橋と呼び、各橋にはそれぞれ名前が付けられている。



 最初に渡るのが吊り橋の「下津井瀬戸大橋」で、暫く進んで県境を超
え香川県に入る。次が「櫃石島高架橋」で、美しい姿が特徴的な斜張橋
の「櫃石島橋」と「岩黒島橋」が「岩黒島高架橋」を挟んで続く。
「トラスト橋」と「高架橋」のかかる与島には、高速道路のサービスエ
リアが有り、螺旋状の道路が島に向けて降りている。



 更に吊り橋の「北備讃瀬戸大橋」を超えると、最後がビックスケール
の「南備讃瀬戸大橋」だ。二本の主塔に支えられている吊り橋で、長さ
は1,723m、16両編成の新幹線なら、四編成を連ねたよりも長い。

 その高さは20階建てのビルに相当する。
南北の主塔は1,100m隔てて建てられているが、その頂上の間隔は、根元
のそれよりも32mm長くなっていると言う。
これは地球の丸みを考慮してのことだそうだ。



 嘗てはフェリーで1時間程かかった海峡部を、本四備讃線の列車は僅か
数分で轟音と共に駆け抜ける。
橋の完成、新線の開通で岡山と高松の間も列車で約1時間となり、完全に
通勤・通学圏に入り、巨大な経済圏も完成した。
橋の存在は、物流のみならず人流をも変えることとなる。(続)





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