簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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食べたまま、書いてます。

塩蔵(JR乗り潰しの旅・大糸線)

2021-05-19 | Weblog
 「塩の道 ちょうじや」は、代々庄屋をしていた旧平林家の建物で、
市民による保存活動から蘇った施設だという。
その母屋の1階には、問屋当時を窺いさせる帳場が残され、当家代々に
伝わる家具や調度が展示されている。
階段状の箱簞笥を上がった2階には、千国街道の「塩の道」に関する資
料が説明を加え展示されている。





 ここには江戸時代後期に造られたという文庫蔵、漬物蔵、塩蔵の三つ
の蔵も残されている。
文書蔵は文字通り、商いに必要な売掛帳などを保管していた。
今では、日用雑貨の展示スペースとなっている。

 当家では、古くから味噌醤油を造っていて、それを使って漬物を漬け
販売していたと言う。
一定温度の土蔵で漬ける漬物は、上々の味わいが好評であったようだ。
その樽を保管したのが漬物蔵である。





 塩の道の「塩荷」は、担いで歩く「歩荷(ボッカ)」や、牛馬の荷車
などによって運ばれた。
「塩荷」の重さは、60㎏にも及ぶ俵状にした荷で、それを背負って歩く
歩荷は相当に過酷な仕事であったようだ。
それらによって運ばれた塩を貯蔵したところがこの塩蔵である。

 塩は運搬中に乾燥すると軽くなり、湿気を吸うと重くなる。
その為、荷受けする問屋では、蔵入れの前に必ず看貫(カンカン:計量
する事)をするのだが、この目減りや水増しは、結構トラブルに成るこ
とが多かったらしい。





 こうして運び込まれた粗塩を塩蔵で保管するのだが、保管中にも空気
中の湿気を吸い、苦汁(ニガリ)として溶け出してくる。
当時それを集めた「苦汁受け」の仕掛けが、蔵の中にそのままに残され
ていて、これは大変貴重な資料だという。(続)



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