簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

たった一台のタクシー(日本一路線バスの旅)

2018-08-08 | Weblog


 「熊野本宮大社」の参拝を終え、バス停に戻ってきた。
次の目的地、湯の峰温泉に向かうバスに乗るためだが、時刻表を確認すると予
定していた11時発の便が無い。
あわてて目の前の「熊野本宮館」に駆け込み、観光案内所の職員に尋ねると
「次を待つか歩くかタクシーしかありません」とつれない返事が返ってきた。 


 
 その時ふと、テレビの「路線バス乗り継ぎ旅」のことが頭を過った。
レギュラーを張る二名の男性タレントにゲストのマドンナを迎え、何泊かしなが
ら路線バスだけを乗り継いで目的地を目指す、シリーズ化されている番組である。



 毎回そのルートの選択によりハプニングの連続で、バスに乗り継げないとな
れば、歩くより仕方がないガチンコ旅の番組である。
普段歩いたこともないようなタレントが大汗をかきかき、足を引きずりながら
歩く姿がハラハラドキドキで共感を得ているのか、結構人気が有るそうだ。



 予め調べてきたつもりであったが、その手持ちの資料が古かったようだ。
予定したバスに乗り継げないことには目的地に行き着かないばかりか、それ以降
の計画が全てくるってしまう。さあ困った。



 湯の峰温泉までは「熊野古道大日越」と言うルートが有って、距離は4キロ弱、
途中で大日峠を越えるので、1時間では少しきついと言う。
歩けなくはなさそうだが、これなら次のバスを待っても到着はさほど変わらない。



 さんざん悩んだ挙句余分な出費になってしまうが、タクシーを選択した。
「たった一台ですからね、捕まるといいのですが・・・」と言う職員が、電話
をしてくれると言うのですがる気持ちでお願いした。(続)

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大斎原(おおゆのはら)(日本一路線バスの旅)

2018-08-06 | Weblog



 三本足の八咫烏は日本サッカー協会のシンボルとして知られているが、元々
は神武天皇との縁で「熊野権現」のお使いとされている。
そのため境内に幟旗や看板など、色々な所で目にすることが出来る。
中には八咫烏が留っている黒い丸ポストもあり、ここからはがきを投函すれば
記念のスタンプも押されるという。



 参拝を終えた復路は石段脇の旧石段道を下る。
不揃いの石で組まれた階段や、木立の中を切り通した道で、距離はさほどない
が僅かながら熊野古道を感じられる。下りれば右手が瑞鳳殿だ。
神社の研修施設、参拝者の休憩施設として売店やカフェが併設されている。
災害時には避難場所にもなるのだそうだ。



 国道を渡り駐車場脇の細い道を10分ほど歩くと、日本一と言われる大鳥居が
見えてくる。
かつては熊野川と音無川、岩田川の三川が合流する木々の茂った中洲の有った
場所で、「大斎原(おおゆのはら)」と呼ばれるところである。



 「熊野本宮大社」は正式な名称を「熊野坐(にます)神社」と言い、かつて
はこの地に鎮座していた。縁起は古く二千年の昔に遡り、中世に盛んに行われ
た熊野詣はこの地を目指していた。
江戸時代に描かれた絵図によれば、その規模は一万坪にも及ぶ境内の概要が窺
い知れると言う。



 そんな中洲を明治22(1889)熊野川が氾濫大洪水が襲い、建物類の大部分が
流出した。
辛うじて水難を逃れた四社を、近くの小高い丘の上に遷座したのは災害の二年
後で、それが現在の「熊野本宮大社」である。
今その広大な原には二基の石祠が立てられ、かつての栄華を伝えている。(続)



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熊野本宮大社(日本一路線バスの旅)

2018-08-03 | Weblog

 十津川温泉からこの村営バスに乗り込んだ乗客は7名ほどで、全員が観光客と
思われ、地元民らしきの人の姿は無い。
律儀に立ち寄った途中の停留所でも乗り降りが無いまま、全員がここ熊野本宮
大社前で降りた。



 さすがユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」として登録された地
だけに、観光バスやマイカーで訪れる観光客が多い。



 バス停から目の前の国道を横切って、大鳥居を潜り境内に入る。
「熊野大権現」と書かれた白い幟旗の立てられた参道を進むと、杉木立の茂る
森の中に神域に向かう158段の石段が延びている。



 しばらく上ると手水舎と宝物殿がある。
参道は神様が中央を通られ、参拝は右端を上るのが作法とされているから、
手水舎も右側に立てられているようだ。
石段を上り終えれば右手に授与所が、左手には新しい拝殿がその威容を誇り、
その間の正面に神門が建っている。



 大注連縄の掛かる神門を潜ると、そこは社域の中でも一番神聖とされる場所
で、正面に檜皮葺の御社殿がその姿を現す。
平成7年に国の重要文化財に指定された建物だ。
参拝はまず正面の素戔嗚尊を祀る証誠殿から始め、次に左の中御前、更に左の
西御前を、その後右端の東御前をお参りするのが作法と言う。



 全国にあまたある「熊野神社」の総本山に当たるのが熊野三山である。
その中でもとりわけ古式ゆかしい雰囲気の漂うのがこの「熊野本宮大社」だと
言われている。
その深い緑に包まれた静謐な空間は、千年の昔から祈りをささげる人々の心を
静かに受け止め、今も悠久な時を刻み続けている。(続)



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玉置神社(日本一路線バスの旅)

2018-08-01 | Weblog



 十津川温泉で泊まった翌朝、バス停に行ってみると8時を少し過ぎた頃と言う
のに、待合所には何人かの観光客らしき姿が有った。
その中には昨日路線バスで一緒した名古屋の男性の顔も見かけられた。
聞けばこれから「玉置神社」に行くと言う。



 「玉置神社」と言うのはこの地の背後に聳える霊峰玉置山(1076m)に鎮座
する熊野三山の奥の宮と言われる世界遺産にも登録されているお社である。
山上の駐車場から徒歩15分だそうだ。
近頃ではパワースポットとして若い女性などにも人気が高いと聞いた。
そういえば、昨日一緒だった横浜の女性も今日の予定はここだと言っていた。



 ここに行くにはホテル昴前が始発で、8時40分過ぎに十津川温泉を出る村営
バスを利用することになる。
このバスは前日までの完全予約制で、一人でも大丈夫だが、冬場は道路凍結な
どで運休されるようだ。
これなら現地に100分ほど滞在し、お昼前にはここに戻ってこられる。



 午前中の過ごし方としての選択肢も有ったが、今回は8時35分発の村営バスで、
熊野本宮大社に向かうことにした。
バスは二津野ダム湖に沿うように真新しいが通行する車もほとんどない新道や、
十津川沿いの小心細そうな旧道を集落に入り込んだりしながら、停留所に停ま
ることもなく進む。
途中、七色か八木尾の集落を越えた辺りで、新宮発の大和八木行の第一便と行
違った。



 昨日十津川温泉まで運んでくれた奈良交通のドライバーは、始発から終着ま
で6時間半を交代なく一人で乗務して、翌日の便戻ると言っていたので、当人
かと思ったが、すれ違いざまのことで確認が出来なかった。(続)



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