簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

世界遺産 つぼ湯(日本一路線バスの旅)

2018-08-20 | Weblog

 そうこうしている内に、予想していたよりも20分ほど早く「つぼ湯」の番が
回ってきた。
「熱かったです」と、脇に服を抱えて出てきた若者と入れ替わりだ。



 世界遺産「つぼ湯」は、湯気の立ちのぼる清流の脇につくられた小さな小屋の
中にある。入口の扉の前で履き物を脱ぎ、小屋に入るとそこは周りを板戸で囲っ
た広さは4畳半ぐらいの空間で、壁の上部は開閉が出来るようになっている。
以前は川原の野天で、後から囲いを設けたのではと思われる造りだ。



 内部は左から天然の大きな岩が迫り出していて、その足元が不安定だが脱衣場だ。
そこから一段、二段と石段を下りれば畳一畳分ほどの石張りの洗い場が有り、その
前に天然の岩をくりぬいた湯つぼが有る。



 2~3人も入れば窮屈な程小さな狭い風呂には、白濁したお湯が満たされている。
含硫黄ナトリウム炭酸水素塩化物泉と言うこの硫黄が匂うお湯は、日に何度か色を
変えるらしく「七色の湯」と呼ばれていて、底から湧きあがっているようだ。



 確かに熱い、少しの我慢でお湯に浸かるが、身体を動かすとピリピリと責めら
れるようだ。埋められるように水道の水も用意されているが、折角の源泉を水で
薄めるのはもったいない。
恐らく43度か、もう少し高いかも知れないが、それでもじっとしていると、冷え
た身体にお湯が浸透し、その熱さがなんとも心地よく感じられてくる。



 板囲いの隙間から差し込む陽光も幻想的で、すぐ横を流れる川のせせらぎが
穏やかに眠気を誘う。
昼間から世界遺産の至福の湯につかるなんて、何とも贅沢な一時である。(続)



「はれのくに おかやま」観光情報 最新記事アップしました。

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