まこの時間

毎日の生活の中の小さな癒しと、笑いを求めて。

絞りこむ

2009-12-07 | 弓道
弓道人なら誰でも経験する狙いの不思議。
アバウトに狙っているように思うが、
的が小さくなると矢は寄ってくる。
的が大きくなると、その分矢の到達点が広がる。

正月などに、ごく小さな金的(直径三寸約9cm)を射るがそこそこ近いところに矢は集まる。
通常使用している霞的(直径一尺二寸36cm)なら全部中たっているだろう。
しかし、霞的を射ると矢は的の周りに散らばる。
では、的の真ん中(中白直径7.2cm)を狙えばいいのだが、気持ちも散る。

何か事を成すときも、あれこれただいたずらに忙しがっているわたしのような者は、何も成し遂げられない気がする。
ただひとつ、的を絞り込まなくてはならない。
それも、小さな金の的だ。

理想は高く、絞り込むほど真に近づく。
但し、力量が問題だ。
力量がなくては、言い訳をする。
今日の的は小さかった。的が小さい筈はないのだ。
試合で他の道場へ行き、ここの的は遠かった。
遠い筈はないのだ。そのような錯覚が起きることがある。
寒いから外れた、汗で手が滑って外れた。
練習をしていないから外れた。

技術的に、ここが悪くて外れたという反省はしなくてはならないが、外れた理由を他人に言うのはかっこ悪い。
しかし、ついかっこ悪いのに言ってしまうことがある。
それは、自分の未熟さを披露するようなものだが、
逆に、聞いているほうもその人に期待してもいないので、
同類相憐れむ状態になる。

目標は高く、的は絞り込んで行きたい。

話は飛ぶが、
仕分け人の「2番ではなぜ駄目なんですか」
と、TVで言っているのを聞いて
「駄目に決まっている!!」と、叫びたかった。
それは、大きい的をも狙うことを放棄しなさいと聞こえた。