かねてより、うちの婆さんがJAへ連れて行って欲しい。耕運機がほしい。と、せがんでいたので、だんなと3人で買いに行った。
しかし、婆さんは耳が遠いので、操作方法や、その他疑問点はすべて私が聞いて、試乗ならぬ試運転までした。だんなはその間、そんなことは聞かなくても分かっているというような顔をして、遠いところで他人のふりをして座っていた。
かくして、届いた耕運機は、婆さんがエンジンを何度かけてもかけられない。そのうち肩の付け根が痛いという。
わたしが、日ごろより鍛えぬいた肩で、エンジンをかけると、結局、畑一枚耕すという結果になった。
要するに、こういうことなのだ。はめられたことに気づいた。しかし、これがまた面白い。耕運機は軽いし、さほどの労力もいらないのに、婆さんが鍬で耕すと何日もかかるところを、10分足らずで耕すのだから、ひどく有難がられた。
しかし、このところのこの暑さ。午後は動かずにいた。
雨は降らないし、暑いし、畑仕事はただいま中断と婆さんは言っている。
翌日から、わたしは、会社で涼しいところで仕事をしながら、冷や汗をかいている。