町内美化と河川の草刈りの季節になってきた。それで、うちの草だらけの土地も切羽詰まった状態であることを確認しに行った。今年は少し除草剤を散布してみたが、思うように枯れていかない。これは、山へ行っている場合ではない。
いつも、殿が草刈り機で刈って、その周りを両親とわたしが鎌で刈っていた。それも10年ほど前の話だ。わたしはエンジン付きの草刈り機を使えない。実家にはあるが、危なっかしいので、母は貸してくれない。今年も、シルバーの人に頼めば良いと言うが、休みの日に少しずつやってみようと思って、2日間かけて刈ってみた。暑いので、朝の1時間くらいしかできない。
母は、身体を壊すのでやめた方がいいという。89才の姑は手伝うという。どちらも、わたしが鎌をふるうのをよしとしない。おまけに、鎌使いは自分のほうが上手いと自負している。気持ちは分かる。小百合が鎌を振るうのは似合わないものだ。
ラジオをならすと、サザンの歌が流れてくる。良かった、クシコスポストや、ウイリアムテル序曲だったら大変だ。草を刈る手が暴れそうだ。隣の家の植え込みのピンクの花がうちの土地にも生えてきたので、これはそっとしておこう。
父がこの土地の隣の家の婆さんとケンカしたのだと母から聞いた。ゴミを捨てるからだった。草が生えていると、つい塀の向こうへ捨てたくなるのか。確かに、古くなったコーヒーの空き缶やお菓子の袋が落ちている。塀越しに隣を見るが人が住んでいる気配がない。隣の前庭の草も伸び放題だ。父とケンカした婆さんは、父が92才なので、きっと似たような年齢ではないか。
隣の塀から始めて、気ままに高い草を求めて反対側の工場の方へ刈りこんで行ったら、ミステリーサークルみたいではないか。いっそミステリーサークルみたいに、誰かが遊び半分みたいに少しでも刈ってくれたら助かるのだけど。
387.10㎡のうちの10分の1も刈れただろうか。ギブアップか。再チャレンジか。次の休暇に考えよう。