冒頭 ギリシャ神話によれば、人類に火を与えたのはプロメテウスだった。火を得たことで人類は文明を発達させることができた。しかし、落とし穴があった。プロメテウスによって文明を得た人類が、いま原子の火に悩んでいる。
「明かされなかった福島原発事故の真実」と、副題がついているこの本に書かれている衝撃的な事実は、多くの人が知るべきことと思える。安全神話の崩壊と、どこへ逃げればよいか誰も教えなかったし、真実は伏せられて住民は危険にさらされていた。中国の高速鉄道事故で証拠隠しがあったことを、メディアは厳しく非難したが、日本も同じだった。来る日も、来る日も大丈夫と枝野氏の記者会見。
ここは、危ないと言われても、目に見えないので分からない。情報は末端に届かない。しかし、犠牲は末端の市民にふりかかる。何かが起こっているのに、箝口令が敷かれて住民には知らされない。
読み進んでいくほどに、腹が立っていくし、怖い気持ちになる。
浪江町から飯舘村長沼周辺、高線量地域にいた人たちは、それと知らずに、最も放射線量が高いときに懸命に炊き出しをしていた。南相馬市からの避難民を助けるために。
東電は、原発からとびちった放射性物質は「無主物」であると、仮処分申し立てに対し主張した。要するに、放射性物質は東電の責任ではないよということ。
3/31、国は、放射能観測のための予算を凍結してしまった。6/28に復活したが。と、わたしたちの知らないことがここには、ぎっしり書かれている。
「朝日新聞特別報道部 著」読み終えてすぐ、続 2を借りに行ったら、すでに貸出し中だったので、3を先に読むことにした。
そうこうしている間にここ数日、汚染水漏れの報道がテレビや新聞を騒がせている。終わらない恐ろしさを思う。