またまたソーラの工事のために、実家の境界線を確認してほしいと〇〇土石さんより依頼があり、父の代わりに立ち会うことになった。
K設計の方と、実家の隣のTさんと一緒に立ち会う。父が戦前に開拓した時の道で、両隣のSさんとTさん方との共有の名義である。要するに、その道は3人の共有なので勝手にどうにかできないのだ。両隣とはいえどちらも離れていて、それぞれ広い土地がある。そして、ややこしいことに、Sさんはすべての土地をバブルの時に神戸の会社に売ってしまって、その会社は連絡がつかなくなってしまったそうだ。そして残念なことに跡継ぎが亡くなり、その土地の管理者はいない。わたしたちも、高齢である所有者の代理だ。
長靴を履いてきてくださいと言われた。藪に入るためだ。車で近所の住宅の間の道を入って、突き当りのところで降りて向かう。まず一つ目の杭を見つける。泥の中だ。
ここを下りるんですか?どこですか?アマゾンへ行ったことはないけど、アマゾンみたい。沼が見える。
Tさんの後をついていく。大丈夫ですか?と、K設計の方が先に行って声をかけてくれる。山歩きは大好きですが、こんなドロドロは・・とは言えず、「大丈夫です・・」と、弱々しく答える。
笹につかまって下りると、長靴が沼にめり込む。サバイバルだ。山下りだ。前の人の笹がビヨーーンとはね返って顔に泥がはねてきた。
図面を見ながら確認をする。図面に泥はねがつく。
どぶ川みたい。「まむしがでるかもしれません。」この日は暑かったので、まむしが涼みに来るのだそうだ。
あらら、こんな所に埋もれていましたね。一体いくつあるのだろう。応援団長のハチマキみたい。「一発かましたれーよっ!」小学校の運動会での応援団長の声がよみがえる。練習しすぎて声がかすれて、それでも声を張り上げ、一生懸命の姿に感動し、声変わりして、大人になって、いつかこんな風に土地の境を見るために歩くようになるのだ。どんな夢のない物語か。滑って転びそうになる。
K設計さんは、前もって藪を刈って歩きやすくしてくれてあったようだが、泥沼はどうしようもならない。
ようやく明かりが見えて来た。おおっ!!日本の夜明けだ。がんばれ。よく歩いたものだ。登山をしたような感じだ。
綺麗な芝生の中央公園に出て驚いた。私道が芝生の下になっているそうだ。Tさんに「私たちの断りもなく?」と、冗談をいうと、Tさんも「道幅に立て札を立てて、有料にするか。」と。きっと、親たちはそれなりに市と話をつけてのことだろうが、今となっては真偽が分からない。どちらにしても市に貰ってもらうほうが、ややこしくなくていいのだが。この際、ただでいいから市に管理をお願いしたい。
実家の前は、私道という事で除雪してもらえない。もしアスファルトが割れても自分で補修しなくてはならない。一人暮らしの母が、大雪で急病になったら救急車も入れないとなると困るなあ。なので、この私道をどうにかしないと、そのうち孫やひ孫の代になったら、もっと困るぅ・・となるだろう。