本屋が好きだ。暇があると本屋にいる。本を増やさないと思いながらも、手に取るとつい買ってしまう。危ないところで伊藤若冲の「若冲原寸美術館100%・・」という美しい本を手に取っていて、いかんいかんこれを買ってどうする。と、思い直し、身体を文庫本のコーナーへ移動させる。
いつも、夏休み前の本屋はお祭りのようだ。夏目漱石や太宰治、安部公房など、日ごろはお蔵入りのような本が、とんでもない美しい装丁で平積みされている。まるで、遊郭の美しい着物をまとった遊女のように手招きする。
そんな中でつい手に取ってしまった「ボトルネック」米澤穂信。買わなければこの先が気になって眠れない。
本を買うときは必ず書き出しを見る。ここではめられた。舞台が東尋坊から始まり、金沢が生活の舞台だ。ちょっと違和感を感じたのは、そこで暮らしながら金沢弁でなかったことだった。しかし、今まで読んだどの小説にもない構成で、最後は??の読者の想像に任せる終わり方だった。たぶんこうだろう・・と、思いながら、筆者は何を訴えたかったのだろうと考えさせられる。
なにこれ?と、思いながら、あっという間に読めてしまった。