3年ぶりの京都審査。
緊張が高まるが、この日の為に稽古をしてきた。
どんな結果になるかは考えず、精一杯やり切ることを心に誓い臨んだ。
道場の先輩や仲間に報告できるようにと。
しかし、そこには、運命の女神さまが、再びわたしに修行をしなさいと課題を与えた。
わたしは、おう前で、皆を正しい本座と射位に着けるよう責任を果たすべく気合を入れて入場した。
三歩出て曲がったところで、入り口が騒がしい。誰もわたしに付いてこない。
2番の人が弓を取り違えたようで、出られなくなったのだ。
とっさに、わたしは係員の顔を見て「戻りますか?」と、いうような形になった。係員はうなづいたが、どうしようもない展開に、仕切り直して出直したが、もうこの時点で、私達は評価外だ。
残念な気持ちになったが、やるべきことはやろうという気持ちで引いた。
わたし達の前の立の人も、矢がないと騒いでいたっけ?
出番に間に合って事なきを得たようだったが、まさか自分たちの立で事が起ころうとは。
大会でも審査でも、似たような弓や矢があるので、気をつけなければならない。人に迷惑をかけてはならない。
気がそがれたが、ここできっちり中てたかった。
動揺せず、戻らずに本座迄行くべきだったかもしれない。
そこで皆が来るのを待って、跪座に入るべきだったか?考えたが、どちらにしろ、この立は揃わないのでアウトである。
甲矢は7時に抜け、乙矢は諦めで力が抜けたせいかじっくり狙って的中した。
亡くなったY先輩も、京都で出番に弓がなくて探したが分からず引くことが出来なかったことがあった。
誰かが持って行ってしまい、後でその人に結構怒りをぶつけていたように思う。
わたし達は、弓を引くことが出来たのでまだましかもしれないが、このお方、前に他人の矢を取り違えたとも言っていた。常習犯ではないか。
いずれにせよ、不運である。
他人事と思わず道具を見張るぐらいの気持ちで出番に臨まなくてはならないと思う。持っていかれるのも困る。
帰りは、Kさんと地下鉄で帰った。歩け歩けの道中だった。
ようやくサンダーバードに乗り、反省の缶ビールで乾杯。
緊張が解けた後の気持ちは格別で、フルマラソンを走るKさんに、マラソンと審査とどっちがいいですか?と、聞くと「どっちも嫌・・」と、笑っていた。
事の顛末を語ると「それはねぇ。不運だったねえ」
しかし、甲矢が逸れたことは自身の反省なのだ。
そして、早くこの位置から逃れたい。。。
次を目指そう!!歩みを止めるな!!
何があっても動じない強い自分になりたい!!