昨日は、小松で一つ的射礼をさせていただいた。
今回は大前で、落ちに控えるのは、身長180cmはあるだろうC先生。
わたしは148㎝。この身長差を中立のF先生が取り持ってくれる。
また全日本選手権で天皇杯を頂いたという経歴の持ち主と、実力の差と身長差がある。
あわらでの試合でも、後ろに控えたのは皇后杯を頂いたT先生。
今回も、我らが会長は、ガハハハッ「まぁ、がんばれや」で、あった。
道場に行けない日は、本座から射位までの長さを測って、家の廊下で稽古した。
5歩でちゃんと行くには、少し大股になる。
本番前の位取りで、「がんばって歩きます」と、言うと、
「頑張らなくてもいいですよ。合わせます」と、ベテランである。
しかし、途中の歩行は小さくてもいいが、射位までは決まった長さがある。
そこだけは、前進も後退もきっちりやらねば。
緊張する。おまけに、緊張するとお腹がグルグルなる。
後で、道場に到着してから少しお腹に何か入れるといいよと言われて、なるほど次はそうしようと思ったが、次はないかもしれない。
とにかく、しっかり引いて、会を満喫しよう。
稽古でいつも外れていた甲矢を放った。
トンと、的に中った。へぇー中ったやん。と、心の中でほっとした。
その後、中立のF先生も的中し、当然ながら落ちのT先生も的中。
3人とも甲矢の的中はいいもんだ。
乙矢を番えて、的を見ると雨が降り出していた。会を持つことに一生懸命で、離れで気が抜けてぼわんとした感じで離れ左上に。
滞りなく終わり、わたしにとっては超緊張の中で大きな失態もなく無事に終えることが出来てよかった。
後で、弓仲間に射が良くなっていて、会相も良かったよって、心配して見ていたって言われて嬉しかった。
もともと早気で、会を1秒でも伸ばそうとするとビクがきていたが、どうにか5秒は持てるようになった。
ガハハハッと、笑っていた会長も、「良かった良かった」と、不始末のなかったことにほっとしていた様子。
身長差だけでなく、慎重さにも欠けるわたしである。
小松の会長さんが「6射皆中になるかと思った・・」と。
御前の甲矢の1本って大事だなあと、つくづく思った。
しかし、その後の試合は、全く気抜けしていたような射で、2回目は皆それしてしまった。
おまけに、チームでも、あろうことか全抜けだ。
3人して、初心者でも1本は中るよね・・と、力なく荷物をまとめた。
これって一体何なのだ。
あんなに稽古では中っていて、調子が出てきたなあって思っていたのに。
家に帰ると、疲れて夕食の準備の前にソファーで、数分寝てしまった。
体力がないなあ、ここ何日か稽古でも緊張していたなあ。
まだ、伸びることが出来るんだろうかと期待してしまうのが弓道の魔力なのである。
それで、皆それしてもまた懲りずに出かけるのだ。
何と非効率的な、何と生産性のない。
先輩方々に叱られるかもしれないけど、伝統的な格調高い武道と思いたいところだが、今やスポーツのような感覚である。
スポーツの類はみんな暇つぶしみたいなものかもしれないけれど、これに真剣に取り組むこの馬鹿さ加減がやりきれないほど愛おしいのである。
のめり込んだらどこまでも止まらない。
やればやるほど、非力を知る。