もしかしたら、弓道人は妖怪に操られているのかもしれない。
「べろべろ的」
という妖怪だ。
主食は水で溶いた糊だ。
この妖怪は中てようとすると「あかんべぇ」と言って逃げる。
的は動いていないが、確かに逃げられた感じがする。
射品、射格を問われるが、外れたときに「素晴らしい演武でした」とは言わない。
この妖怪は練習時には休んでいて、ここぞという時に現われる。
大きな大会や、勝敗を決める大事な場面で登場する。
いつもなら収まる肘が宙に浮いたり、離したくないところで離れたりする。
特に離れの刹那の時間にいたずらを好む。
ビク二段離れや、戻り離れのひどいのが出たら、それは本人の成せる技ではない。
あくまでも妖怪のせいだ。
しかし、この妖怪の妖しさに魅了されている弓道人が後を絶たない。
まぐれ中りも実力と思っているが、妖怪が弄んでいることも知らずに、さっきの素晴らしい矢をもう一度と願う。
と、つまらないことを考えているうちに的が貼れた。
バカなことを真剣に考えていたら、的の中心がずれた。
ど真ん中に中ったと思っていたが、いつも微妙にずれていたのかも。
では、よいお年を。
「べろべろ的」
という妖怪だ。
主食は水で溶いた糊だ。
この妖怪は中てようとすると「あかんべぇ」と言って逃げる。
的は動いていないが、確かに逃げられた感じがする。
射品、射格を問われるが、外れたときに「素晴らしい演武でした」とは言わない。
この妖怪は練習時には休んでいて、ここぞという時に現われる。
大きな大会や、勝敗を決める大事な場面で登場する。
いつもなら収まる肘が宙に浮いたり、離したくないところで離れたりする。
特に離れの刹那の時間にいたずらを好む。
ビク二段離れや、戻り離れのひどいのが出たら、それは本人の成せる技ではない。
あくまでも妖怪のせいだ。
しかし、この妖怪の妖しさに魅了されている弓道人が後を絶たない。
まぐれ中りも実力と思っているが、妖怪が弄んでいることも知らずに、さっきの素晴らしい矢をもう一度と願う。
と、つまらないことを考えているうちに的が貼れた。
バカなことを真剣に考えていたら、的の中心がずれた。
ど真ん中に中ったと思っていたが、いつも微妙にずれていたのかも。
では、よいお年を。