アビオで買い物をしたら、年末恒例の抽選券をもらえた。
「ラッキー大抽選会」と銘打っているので、さぞかしたくさん当選するのかと抽選会場を探したが、そこには「応募の手順」が書いてあるだけだった。
それを持っていきガラポンで引いて完結するならいいのだが、自分で机の上にある番号の付いた抽選券に、貰った抽選券をホッチキス止めして、ミシン目で控えを切り離し、好きな箱に入れるのである。
抽選の方法を貼ってあり、その前で皆がせっせと作業している姿が涙ぐましい。
応募の仕方ではなく、作業方法が書いてあると言った方がいいかも。
わたしも、取り掛かろうとしたら、前の方が
「あら~ホッチキスの針がないわ~」と、言うので机の向こうにあるのを探して持っていき、その人と共同作業になった。
これは従業員にとっては好都合なやり方ではある。
長い列を誘導したり、カランカランと、鳴らしたりしなくても、後日番号表を貼りだすだけでよい。
その日に客が自分で番号確認して自己申告するわけだから。
また店に足を向けるという効果もある。
見に来ない人には、当たりももらえない。
さて、箱がいくつも並んでいて、「5万円」が1本しか当たらない箱。
5千円のHOPマネーは10名が当たるという箱。
その他、電気製品とかの箱。
結局、5万円狙いをすると、1本以外はゴミ箱に抽選券を入れるような結果となるのに、誰もがその1本は自分が当たると思って入れている感じだ。
私が入れた時点で、その他の人は全員紙くずとなるのにである。
5千円のHOPマネーは、5万円の10倍の確率だと当たるような気がして、そこにも紙くずになることを考えもせず入れていく。
この涙ぐましい努力を惜しまないのは、年末の物価高が、誰の心にも一筋の希望を求める心境になるのだと思う。
店側の人件費をかけたくない気持ちと、景品にお金をかけたくない気持ちがひしひしと伝わる。
「大抽選会」ではなく、みんなが作業台に列になって作業しているので「台抽選会」と書くべきだと思いながら、発表の日をしっかり確認して帰る。
おおらかなわたしが、こんなセコイ術中にはまるという世の中はいけない。
政治家はしっかりしてもらいたいものだ。
特に自民党にはしっかりしてもらいたい。
辞任ドミノという不始末は、主婦たちを不安に陥れ政治に希望を失い、台抽選会でホッチキスをぱちぱちする行動に一縷の望みをかけているしかないのである。