カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

【インド映画】 ~マッスル 踊る稲妻~

2021年05月24日 21時33分59秒 | 映画 / MOVIE

2015年のタミル語映画、原作のタイトルは「Ⅰ」。
劇中で主演の2人が宣伝する女性用の香水の名前である。邦題は
「マッスル・踊る稲妻」、何でもかんでも踊るは止めて欲しい。

主演はヴィクラムとエイミー・ジャクソン。エイミーはイギリス出身、
2010年にタミル語映画で主演し評価を得て、他にテルグ語、
カンナダ語映画にも出演している。2018年にはラジニ様主演の
「ロボット2.0」でも共演している。監督は同じシャンカル。

最初の方で「ロボット2.0(2018年)」の宣伝シーンが入り、
笑ってしまった・・・。すると至る所に・・・監督が同じだから。

純粋なラブストーリーかと思いきや、醜い姿に変えられた男が、
自分を陥れた人々に復讐すると言う話が絡んでいる。

  <ストーリー> 

結婚式の花嫁の控室に醜い姿の男が侵入し花嫁を襲い、
気絶した花嫁を連れ出し列車で逃げるシーンから始まる。

男は連れ去った花嫁を荒廃した屋敷に監禁する。

ボディビルダーのリンゲーサン(ヴィクラム)はモデルのディヤー
 (エイミー・ジャクソン)の熱狂的な大ファン。ライバルのラヴィ
(M・カマラージ)の妨害をもろともせず、タミルナドゥ州の大会に
優勝し全国大会を目指す。負けたラヴィは逆恨みし復讐を誓う。

ラヴィの家に冒頭の醜い姿の男が忍び込みラヴィに油をかけ火をつけ
大やけどを負わせ逃げる。ラヴィは男だ誰だか知ってる様子。

リンゲーサンは友人に誘われディヤーのCMの撮影に行き、
ボディーガードだと言いサインをもらい記念撮影をして有頂天。
ディヤーは共演のジョン(ウペン・パテル)の誘いを断った事で、
業界から干されてしまう。

困ったディヤーはリンゲーサンに共演を依頼するが、中国ロケは
9月だった。9月にはボディビルの全国大会があり一旦は断るが、
ディヤーの頼みを受け入れ、トランスジェンダーのスタイリストの
オズマ(オージャス・ラージャニー)によって別人に変身する。

ディヤーはリンゲーサンを新人モデルのリーに仕立てあげ、
香水「I」のCM撮影に売り込む。ジョンは自分の代役が新人に
なった事を根に持つようになる。

その頃、醜い姿の男は自分がそうなった原因を調べていた。

ディヤーとリーの撮影は中国雲南省で行われたが、素人のリーは
NGを連発し監督が激怒する。困ったディヤーに監督がアドバイス、
リーはディヤーを愛している。だから嘘でいいからリーに愛を囁き
その気にさせろ、と。その気になったリーは要求通りの
パフォーマンスを見せるが、告白をすっかり真に受けていた。

スタイリストのオズマ(トランスジェンダー)もリーに告白するが、
リーはディヤーに二人の将来を語る。嫉妬したオズマはリーに
ディヤーに騙されている事をばらす。真実を知り傷心のリーは
謝罪するディヤーを許すが、逆にディヤーは集中力を失う。
ディヤーを励ますリー。してやったりのオズマはリーに強引に
告白する。それを見たディヤーの心は泡立つ。

ある日、リーは中国人達に襲われるが1人で大勢をやっつける。
それを見たディヤーはリーに告白する。

 リンゲーサン(リー)に恨みを持つ人間は3人。ボディビルで
 負けたラヴィ、仕事を取られたジョン、振られたオズマ。

ある夜中に目覚めたオズマは身体が剛毛で覆われているのを見る。
そこへ醜い姿の男が現れ、オズマが話した台詞を話し、
オズマの化粧品と発毛剤を入れ替えていた事を聞かせる。

 醜い姿の男はリンゲーサンらしい。

荒廃した屋敷に監禁された花嫁(ディヤー)の所へ醜い姿の男が、
好みの服や化粧品、食事を持ってくる。「あなたは誰?」と
ディヤーが問うとTVでは香水「I」のCMが流れる。

毎朝、新聞でディヤーの広告をチェックしていたリンゲーサンは、
新聞に自分とディヤーの広告が載っている事を確認する。
街の至る所に「I」の看板が掲げられ商品は飛ぶように売れて行く。
そして二人は様々なCMに出演しトップモデルとなる。ジョンは、
落ち目になりリーを恨むようになる。

ある日リーは自分を広告に起用してくれた社長のインドラクマール
(ラームクマール・ガネーシャン)の飲料が健康に良くない事を知り、
降板を申し出る。商品ボイコットが起こり会社の株価が暴落し
大損をしたインドラクマールは復讐に燃えジョンとオズマを抱き込み、
リーを抹殺するためにラヴィを雇い襲わせるが逃げられる。

インドラクマールの屋敷に醜い姿の男が忍び込み彼にハチミツをかけ、
ミツバチに襲わせる。インドラクマールも男が誰だか知ってる。

捕らわれたディヤーは醜い姿の男のすきを見て逃げようとするが、
男がリンゲーサンのスマホを持っている事に気づく。男は
リンゲーサンを殺したと答える。

ある日、リンゲーサンの身体に異変が起こり始める。髪が抜け、
歯が抜け、背中が曲がり、皮膚がただれたり盛り上がったり。
リンゲーサンはディヤーの理解者である医者のヴァスデヴァン
 (スレーシュ・ゴピ)に相談するが検査の結果、遺伝性の
脊柱後湾症、筋萎縮、骨粗鬆症で治療薬はなく、悪化はするが
治る見込みはないと告げられる。

ディヤーと結婚できないと思ったリンゲーサンはヴァスデヴァンに
口止めをして行方をくらます。一目会いたいとリンゲーサンは
勇気を出してディヤーの前に行くが物乞い扱いされ、絶望して
自殺を図り河に身を投げる。運び込まれた病院の医者は、
リンゲーサンの姿を見てあらゆる検査をする。

死にきれなかったリンゲーサンは神が自分の命を助けたのには
理由があるはずだと、身代わりになる死体を探し自分に仕立て、
自動車事故で死んだ事にする。リンゲーサンを助けた医者は、
彼が「I」と言うウィルスに感染している事を調べ上げる。
ところがリンゲーサンは事故死した事になっていた。

ディヤーは母親のために仕方なく別の人と結婚する事にするが、
世間はリーとの関係を知っているため候補は現れなかった。
ディヤーの母親はヴァスデヴァンに結婚してくれと頼みこみ、
リンゲーサンもそれを聞いて喜ぶ。

リンゲーサンを助けた医者が偶然リンゲーサンを見つけ、
醜い姿に変わってしまったのは遺伝性ではなくウィルスを注射された
せいだ告げる。リンゲーサンは、いつ、誰が?を考える。

親ほど歳の違うヴァスデヴァンはディヤーが子供の頃から
目をつけており相思相愛になったリンゲーサンを恨んでいた。
ラヴィ、ジョン、オズマ、インドラクマール、ヴァスデヴァンの
5人が共謀し「I」(インフルエンザウィルスの一種)を
リンゲーサンに注射したのだった。5人はリンゲーサンを
監禁し結婚式の後で始末しようとする。

監禁されたリンゲーサンは逃げ、結婚式上からディヤーを
誘拐する。(冒頭のシーン)

リンゲーサンはヴァスデヴァンの家に忍び込むが、ヴァスデヴァンは
それを待ち構えていたためリンゲーサンは逃げる。
リンゲーサンがディヤーの元に帰るとディヤーは醜い男が、
リンゲーサンである事を悟っていた。どんな姿でも自分の夫であると
言うディヤーをリンゲーサンは、はねのけてしまう。

醜い姿になったラヴィ、オズマ、インドラクマールが入院する病院に
「破滅への転落」と言う特集のために記者がやって来る。まだ復讐を
受けていないジョンはおびき出され高圧電線で感電させられる。

リンゲーサンはディヤーを帰し自分は姿をくらます事にするが、
ディヤーは愛を貫こうと一緒に花畑の中の自宅へ帰る。

数カ月後・・・記者が感電し片腕を失い失明し焼けどでケロイド
状態になったジョンの病棟へやって来る。ヴァスデヴァンは別の
病室にいた。ヴァスデヴァン襲撃は失敗しておらず犬に嚙まれて、
狂犬病の注射をしていると思ったヴァスデヴァンは別のウィルスを、
自分に注射しており変わり果てた姿になっていた。

ここでエンドロール。花園の楽園の中の家にリンゲーサンを
助けた医者が往診にやって来る。ディヤーと一緒にリハビリを
しながら毎日が楽しく過ぎて行く。そして少しずつ回復して行く。

 いくぶんふざけたような所もあり、ありえない復讐手段もあるが、
 どんな姿になっても愛は不変であると良い事も伝えている。
 なんでもてんこ盛りで典型的なタミル語映画であるが、
 たまにはいいかな。とヒンディー語映画に慣れてくると思う。

 ボディビルダーとしてはヴィクラムより良い身体の選手はたくさん
 いたように見えたけど・・・。醜い姿も好演だったと思う。

 ディヤーが処女ではない(世間の想像、正しいとは思うが)事で、
 花婿になろうとする男性が現れないと言うのがインドの実情。
 外国との交流があるセレブ階級は別にして、一般的にはそうである。

 一癖も二癖もあるラヴィ、ジョン、オズマ、インドラクマールの
 4人に比べ最も善人面したヴァスデヴァンが一番、変態で悪人だった
 と言うのも凄かった。

 リンゲーサンを助けた老医師の目利きも凄いが原因のウィルスを
 治療する魔法使いのような所も、なさそうでありそうなのが、
 タミル語映画である。

コメント
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