2019年の作品、タイトルはヒンディー語で「恥」。
デリーから羽田行きのJALの機内上映で観た。
ヒンディー語映画は2本あったのだがもう1本も歴史物
「タナジ」であった。なぜ娯楽作品ではないこの作品が
選ばれたのか?大手プロダクションだからか?
キャスティングは豪華で、若手のワルン・ダワン、アーリヤ・
バット、ソナクシ・シンハ、アディッティヤ・ロイ・カプールに
往年のスター、サンジェイ・ダットにマドゥーリ・デクシット。
舞台は1945年以前の独立前のパキスタンのラホール近く
にあるハスナバードと言う町。インドのマディア・プラデッシュ州の
グワリオール城でロケをしていたので(下手に知っていたため)、
位置的に錯誤してしまったのだが、パキスタンのラホール近くから
インド領のアムリトサルへ逃げると言うストーリーだった
<ストーリー>
サティヤ(ソナクシ・シンハ)はデヴ(アディッティヤ・ロイ・
カプール)と結婚していたが癌を患っており余命いくばくも
なかったため、故郷に戻り幼馴染のループ(アーリヤ・バット)に
デヴと結婚して欲しいと依頼する。ループは承諾するがデヴは
サティヤを愛しておりループとはプラトニックの関係になると
告げる。ループはショックを受け、ヒラ・マンディにある売春宿の
女主人バハール(マドゥーリ・デクシット)の所に行き歌を習い始め、
同時にデヴの新聞社で記者として働き始める。
鍛冶屋のザファル(ワルン・ダワン)はループがデヴの妻である事を
知り、デヴの父親であるバルラジ(サンジェイ・ダット)に復讐する
為に近づいて行く。ザファルはバハールとバルラジとの間にできた
子供でバルラジに捨てられたのであった。
ループは人妻であると断るがザファルに惹かれて行く。バハールは
ループの歌が上達した事を不思議に思うが自身の息子のザファルと
心を通わせている事を知り、交際を反対する。
サティヤの死後、宗教的な対立が起き、ザファルの友人アブドゥル
(クナル・ケム)がイスラム教徒を先導しデヴの新聞社を襲う。
ザファルはループとデヴを逃がす為、アムリトサル行の列車に
乗せようと努力するがアブドゥルによって殺されてしまう。
ループはなんとか追手を逃れてデウと供にアムリトサルへ逃げる。
10年後、デヴとループは記者の取材を受けている。
ヒンドゥー教徒であるループとイスラム教徒であるザファルの
禁断の愛はよくあるストーリーである。ループの家が富豪であり、
ザファルは鍛冶屋である。この貧富の差(女性が上位)も
よくあるストーリーである。そしてそれだけではなくループが
人妻である事、ループの夫とザファルが異母兄弟である事、
盛りだくさんである。
これにイスラム教徒とヒンドゥー教徒&シク教徒の宗教対立が
絡んでくる。
サティヤが癌で余命いくばくもなく、死んでしまうのだけど、
申し訳ないのだがソナクシが健康体で、死にかけているようには、
全く見えなかった。これはキャスティングミスだと思う。
インド映画にリアリティはない・・・のだけれど。役柄に合った
キャスティングをすべきだし、キャスティグされたら、
役柄に合った役作りをすべきだと思うけどね。
1945年の印パ分離独立の際には宗教的な大虐殺があり、
大きな犠牲をはらっての独立があった。インドもパキスタンも
この事は決して忘れてはならない事だと思う。