2016年の作品、原作のタイトルは「ウォリヤー・サヴィトリ」。
サヴィトリはインド神話における太陽神の1人であり、
ラクシュミーはヴィシュヌ神の妻で美と富と豊穣と幸運を司る女神。
だから別物なのであるが・・・日本ではサヴィトリは知られておらず、
ラクシュミの方が有名だから、このタイトルにしたのだろうけれど、
劇中でもヒロインの名前はサヴィトリである。なんだかなぁ・・・。
舞台はブルーシティとも呼ばれるラジャスタン州ジョドプルと、
ラスベガスである。
<ストーリー>
舞台はジョドプル、サヴィトリ10歳の誕生日、男手一つで娘を育て上げた
父親タークル (アディティヤ・ラージ・カプール)はサヴィトリと
マーケットへ買い物に行くが、目を離したすきに悪人に襲われそうになる。
サヴィトリは居合わせた僧侶(ティム・マン)に助けられた事から、
武術の道を志し修行をする。
成長したサヴィトリはある日、街でサティヤ(ラジャット・
バルメチャ)と出会い恋に落ちる。サティヤはアメリカでカジノを
経営しており経済面は申し分ない。しかし占星術によると結婚すれば
サティヤは命を落とす事になるため父親は反対する。
親が決めた結婚(お見合い結婚)の場合、占星術が最も重要となるが、
恋愛結婚の場合もやはり・・・そう言えば大スター・アミターブ・
バッチャンも厄を落とす為に最初は「木」と結婚したそうだし。
反対を押し切って二人は強引に結婚式を挙げラスベガスへ行く。
父親の命を受けた殺し屋が二人の乗った車を襲撃しサティアは危うく
命を落としそうになる。二人はサティヤの屋敷へ行くが、
サティヤの盲目の父親(グルシャン・グローバー)は自分に内緒で式を
挙げた事に激怒する。しかし三人は一緒に生活する事にする。
ところが爆発事故が起きたりサティヤの命を脅かす事故が、
起こり始めると心配になったサヴィトリは占星術師に電話するが
ヤマの神(閻魔)が禍を興すと言われる。
ある日、サヴィトリの前にヤマの神(オム・プリ)が現れる。夫は
渡さないとサヴィトリは告げると神は仕事をするだけであると告げる。
サティヤは捕えらえてしまうが、そこには高利貸しのマニー・ジョン
(ロン・スムーレンバーグ)がおり事故に見せかけて殺すと宣言する。
占星術師の予言通りになるのを恐れるサヴィトリは、占星術を信じない
サティヤが外出できないようカンフー技で気絶させる。
サティヤの父親が襲われるがサヴィトリが助ける。サティヤ親子の土地を
奪うためのジョンの仕業だと知ってるサティヤはサヴィトリに知らせずに、
処理しようとするがジョンは警察ともつながっているため難しい。
サヴィトリはサティヤの命を救うために離婚しようとするが相当な時間が
かかると言われ、その間、車が爆破されサティヤは重体となる。以前は
景気も良かったがジョンから借金をし返済できなかった際に、ジョンは
事故を装ってカジノに火をつけ、サティヤの父の視力を奪い、母を焼死
させてしまっていた。そのためサティヤの会社は信用審査を通らず、
10万ドルの手術費用が支払えなかった。全てを聞いたサヴィトリは、
ヤマの神に執行期限延長を願い出て4日間の猶予をもらい身分を偽り、
ジョンのパートナーであるキャンディ(ルーシー・ピンダー)に近づき、
ジョンに取り入りとしてダンサーとして働く事にする。
10万ドルを手に入れたサヴィトリ。卑怯なジョンは仲間に襲わせ金を
取り戻そうとするがサヴィトリがやっつけてしまう。サヴィトリは
キャンディに取り入り金庫を開けさせ機密書類を始末する。
サティヤの命が危うくなるとサヴィトリはヤマの神にさらに24分の
猶予をもらい、ジョンとの決闘に向かう。格闘の末、高層ビルから
落下した二人・・・。
サヴィトリが楽園で目覚めると天国だった。ヤマの神が現れインドを
浄化するための壮大なプロジェクトの計画を語り始める。サヴィトリは
サティヤの代わりに死んでいた。サヴィトリはヤマの神を相手に
戦い始め下界に戻される。
ラスベガス、サヴィトリのお腹には子供がいる。男の子を望むサヴィトリ、
女の子を望むサティヤが言い争う。
なるほど・・・まずやっぱり邦題はおかしい。
サヴィトリはラクシュミではなくサヴィトリである。
死んだサヴィトリが生き返るので女神転生(転聖)なのだろう。
愛のため、神をも欺き、ぶった斬る。この説明もおかしい。
ヤマの神を欺てはいない、お願いして運命を変えさせてはいる。
ぶった斬る・・・武道で戦いはしているが斬っていない。
まぁストーリーも変なのであるが・・・・。襲われそうになった10歳の
少女が助けた僧侶(中国系)に弟子入りして武道の達人になるのは、
まぁいいだろう。反対を押し切って強引に結婚してラスベガスに行く。
そこで占星術師の予言通りに夫が死にかける。それを助ける辺りから、
ちょっと飛躍しすぎで漫画チックになって行った。
強引で無茶苦茶な展開になるのがインド映画か・・・。