2006年発行の大沢在昌のハードボイルド小説。
帰国後2年半の間はほぼほぼ大沢在昌と東野圭吾を読んで来た。
大沢作品は読む時にストーリーに負けないようにと気合が入る。
東野作品スムーズに読めるので私自身の状況には関係がない。
さて両者共に100作以上あるがそろそろ終わりに近くなってきた。
タイトルのKであるが、何だろうと・・・。
準主役として登場する女性の名前が京と書いてケイ。
主人公は木(もく)と名乗る私立探偵の男。
途中で素性が元刑事と解るが、ある事件が原因で刑事を辞めて、
法の中でも外でもない、線上で調査を請け負っている。
木は2人の元ヤクザから依頼を受けKと言う女性を調べ張り込む。
その依頼とは・・・3年前にさかのぼる。
ヤクザの親分が誘拐され身代金8000万円が奪われたが、
犯人と思われる中国人が死体で発見され8000万円の行方がわからない。
2人の元ヤクザは誘拐に加わっていたのだが、
絵図を描いた主犯格の男の正体は知らなかった。
殺された中国人は身代金を受け取った後、行方不明となり、
東京湾で死体となって見つかった。
8000万円は誰かに預けたか、隠したか・・・
中国人の恋人だったKが何かを知っているのか。
例外に漏れず(笑)Kは美人である。
男性読者をひきつけるためには美人である事が重要で(笑)
ハードボイルの主人公や脇役達はだいたいが男性なので、
美人であるだけで惹きつけられるわけだ。
木も次第にKに惚れていく。
人間なので仕方ないところもあるとは思うけど、
私は仕事がらみや利害関係の絡む相手に個人的感情を持つのは、
良しとしないタイプなので、あ~あ、またやっちゃった。
と思うのであった。
主犯格が思いもよらぬ人物だったり、
金の為には親兄弟を殺しても止む無しと言うのが、
どうかな・・・・とは思う。まぁそう言う人もいるんだろうけど。
軽いタッチの東野作品の後に読んだので、
久々のハードボイルドは気合入れなきゃな、と感じた。