2004年の作品、タイトルはヒンディー語で「目標」。
1999年5~7月にパキスタンとの国境近くのカルギルで起きた
紛争をテーマにしている。カルギルは山岳地帯の軍事的な要所として
どうしても押さえておきたいポイントである。
<カルギル紛争>
パキスタン軍とカシミールの反インド政府活動家がLOC(管理ライン
又は停戦ライン)を超えてインド軍の駐屯地を占領した事に対し、
インド軍が交戦し勝利した。
<ストーリー>
インドとパキスタンとの国境近くのカルギルに駐屯してるダムル大佐
(アミターブ・バッチャン)率いる大隊にカラン中尉(リティック・
ローシャン)が赴任してくる。
そのころデリーではカランのGFだったロミ(プリティ・ジンダー)に
ラジーブ(クシャール・パンジャビ)が結婚を申し込んでいる。
ロミがレポートしている様子をTVで観たカランは回想する。
デリーでの学生時代、資産家の息子だったカランは怠惰で目標のない
学生だった。ジャーナリスト志望のGFロミに人生の目標を持つべき
であると言われ、父親の反対を押し切って陸軍に志願したのだった。
試験に合格しアカデミーに入学したカランだったが訓練について行けず、
常に罰則を受けるような落ちこぼれで脱走する。父親には呆れられ、
ロミには愛想をつかされたカランはやり直すためアカデミーに戻る。
心を入れ替えたカランは訓練に耐え卒業しロミに連絡するが、
快い返事を得られずロミに逢わないままカルギルへ赴任する。
ある日のカルギル、羊飼いが停戦ライン内に人がいるのを発見する。
カルギルから休暇でデリーに戻ったカランはロミがラジーブと
婚約した事を知る。そこへ隊から連絡が入りカランはカルギルへ
呼び戻され中尉に昇進する。
ロミは従軍取材の為にカルギルへ向かいカランと再会する。
ダムル大佐の指揮の下、カラン達は敵のベースを確認し攻撃するが、
カランとロミの友人が殉職してしまう。
カランはロミの婚約を祝うが、カルギル取材に際してロミは
ラジーブの賛成を得られず婚約を一方的に解消していた。
あるベースの敵を倒したインド軍は一般人を装っている相手が、
パキスタン軍である事を所持品から知る。
始めパキスタン側はカシミールの反インド政府活動家の仕業と、
言い張っていたのだがパキスタン軍が関与していた事が判る。
ロミとカランはお互いの気持ちに気づき、カランはデリーの友人
からの手紙でロミが婚約を解消していた事を知る。
戦闘は山頂から攻撃してくるパキスタン軍が有利であり、
銃器の差もありインド軍は戦力の半数を失ってしまう。
カランはカルギルの山頂に立つ事を目標とするとロミに誓い、
ロミはカランを待つと約束する。
カラン達は山頂へ向かうが草原で襲撃され指揮官と通信手段を
失ってしまい6人が生き残った。6人は切り立つ崖を登り、
夜襲をかける。
作戦は成功し、カランは脚を負傷するが3人が生き残り、
インド国旗を山頂ポイント5179に掲げ、発煙筒を発射する。
デリーに戻ったカランは両親と会い、ロミとも再会する。
ロミは「目標は達成したのか?」と問い、カランは
「君さ」と答え抱き合う。ジャイ!ヒンド!!
標高5000mを超えるカルギルにおいては生きているだけで
精一杯であるが飲酒したり運動したり戦闘したりするのは大変。
3500m超のレーで高山病になった私の実感である。
宿敵パキスタンとの交戦地に向かっているのに歌ってるのは、
私はやっぱりリアリティにかけると思う。
デリーでのロケ地はハウズカース・ヴィレッジ、トゥグラカバード、
フマユーン廟などであった。
怠惰な学生が軍のアカデミーでも落ちこぼれ脱走までするが、
心を入れ替えて別人になり昇進し、インドの英雄となる。
サクセスストーリーであった。
インド映画では基本的にパキスタンは卑怯で悪者であるので、
この作品でもパキスタン人は軍服を着ず一般人の服装で
カモフラージュしている嘘つきで詐欺師で卑怯者であった。
ただこう言う歴史を踏まえた戦争映画を観ると、
「ジャイ!ヒンド!!(インド万歳)」と言いたくなるのであった。
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