雀の手箱

折々の記録と墨彩画

今日の習作

2010年03月12日 | すずめの百踊り
 絵付けのための構成が気になっているので、はがき絵にも「やきもの」の登場が続いています。今月の提出作品はまだ決めかねています。時にはと、真面目に丹念に仕上げました。

 先日7日の日曜美術館で、いま東京国立博物館で開催中の長谷川等伯の屏風絵を見て、京都に巡回するようなので、4月下旬から5月になら、季節もいいことだし、奈良もついでに。と。
 奈良遷都1300年でいろいろな企画や秘仏公開も行なわれているからとしきりに誘いを掛けてくれる妹がいるので、古都の華やぎを夢見て迷っています。ともあれ、自分の体調と相談です。
 一度あの「松林図屏風」を、自分の目で見てみたいものです。きっと図録の空間からはとらえがたい「風」が吹いていると思います。
 叩きつけるような筆遣い、大胆に残した余白が無言で語る奥行きの深さは哲学的瞑想さえ誘います。
 同じ画家が、猿猴図屏風で猿の親子を描く時の温かなまなざしを見せ、荒々しい激しさと繊細さ。金箔や華麗な色彩の乱舞で描くと思うと、墨のみの枯淡、知れば知るほど幅のある画家だと感嘆します。

 この年齢になってなお、憧れを抱き、わくわくすることができる対象があるのを幸せと思うことにしています。共暮らしの連れあいから呆れられても、熱っぽく憧れを語るものがあるのは、暮しの貧しさとは関わりなく、豊かな生き方と自分で勝手に喜ぶことにしています。

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