コロナ急拡大、オミクロン新派生型「BA・5」の影響か ワクチンや感染で獲得の免疫逃れる力大きく 専門家「盆時期に増える可能性」
感染症に詳しい鹿児島大学大学院の西順一郎教授によると、「BA・5」は最近まで主流だった「BA・2」に比べ、ワクチン接種や感染で獲得された免疫を逃れる力が大きい。海外の研究では、感染を防ぐ「中和抗体」の量が3分の1に低下しているとの報告がある。
さらに、ワクチンの3回目接種から4〜5カ月が経過し、免疫が減衰している時期と重なっていることも影響しているという。
デルタ株が主流だった昨年夏は、接触の機会が増える夏休みの帰省などで大きな波につながった。西教授は「盆時期にかけて感染者が増える可能性がある」との見通しを示し、「それぞれが『換気』『(会話などの)時間』『距離』『マスク』の四つの視点で感染対策を考えてほしい」とする。
オミクロン株が主流の年明け以降の流行は、子どもの感染が目立っており、6日の感染者も4割を10代以下が占めている。若年層の3回目や小児のワクチン接種が低調であること踏まえ、西教授は「発症予防や周囲に広げないためにも若い世代にはワクチン接種を検討してほしい」と呼び掛ける。